2023年09月08日 訪問リハビリテーションこころ
・目を閉じると左肘から下が消えるんです
・歩いていると左足首から下がわからなくなります
・右手で物に触る時は木の板を一枚、挟んでいるみたいです
・右足が常にしびれていて、うまく動けないんです
これらは私が今まで担当してきた片麻痺(脳梗塞後)の人が言っていた言葉です。
ご覧になっている健常者の方々、彼らが自己身体をどのように感じているかイメージできますか?
例えば、健常者の皆さんが
・右手に軍手を3~4枚履いて、細い紐を結ぶ
・30分正座して、足がしびれた状態で歩く
といった場合に、うまく紐を結べますか?うまく歩けますか?
その状態で目を閉じて、手足の中指の指先の位置を正確に当てられますか?
おそらく難しいでしょう。
片麻痺の方々はそういった世界、不快症状を感じているのかもしれません。
上記の言葉も、利用者さんの言葉から推測された状況です。
利用者さんが感じる世界について、ご自身で言葉にしてくれたのを抜粋しただけで、
実際に感じている世界や不快症状は違うのかもしれませんね。
脳梗塞を発症して片麻痺を呈した人は歩くのが大変そうで、手を使うのも大変そうに見えます。
運動だけが悪いように見えますが、上記のような異常感覚を持つ人も多いです。
一見、問題なさそうに見えても
・動いている感覚がわからない
・触れている感覚がわからない
・触るとすごくしびれる
のように、外から見てわからない症状で苦しまれている人もいます。
対象者がどのように感じているか、丁寧に聞く(聴く)ことで初めてわかります。
リハビリテーションは、対象者がどのように自己身体(世界)を感じているか、
可能な限り理解することが大切と考えています。
療法士が対象者の世界を理解できれば、良い対策を提案できる可能性がありますよね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。