1年前に書いた論文や学会発表を恥ずかしいと思えること

2023年07月21日 訪問リハビリテーションこころ

なるべく毎年、なんらかの学会発表の機会を持つようにしています。

主に、自身が治療したことで利用者さんがどのように良くなったか、という事例発表を私はよく行います。

・寝たきりの人に訪問リハビリをして外出できるようになった

・自宅で転倒を繰り返していた人が訪問リハビリをして転倒せず歩けるようになった、等ですね。

自身の治療技術向上のため、リハビリテーション業界の発展のため、

似たような利用者さんを次に担当した際に滑らかに効果を上げられるため、

クリニックの名前が外に出ると他者から「標準的なリハビリをしている所」という目で見てもらえるかも?

などメリット、理由は様々です。

 

自身の過去の論文や学会発表の抄録(文書)を見ると、

「なぜこの方法で治療したんだろう?今ならこの治療をするのに」

「なぜこの仮説を立てたんだろう?今なら違う仮説を立てるのに」

「なぜこの書き方にしたんだろう?今ならもっとわかりやすく書けるのに」

「なぜスライドはこのレイアウトにしたのだろう?違うレイアウトの方が見やすいのに」

と、恥ずかしくなります。

勿論その時は一生懸命、治療して執筆しているのに、です。

学会で賞をとったものであっても関係ありません。

 

ですが、昔を恥ずかしい、と思うことは1年前より成長しているのかな、と感じます。

「この論文は何年経っても最高だ!」と自分で思う人は10年後も今と同じ治療をしているかもしれませんし、

昔の論文や文書を恥ずかしいと思わなくなったら療法士としての成長が止まった時かもしれませんね。

もちろん何年経っても「良い治療法」もありますが、どのリハビリテーション理論も

毎年マイナーチェンジしており、10年前の治療だけをしていては…時代に取り残される可能性があります。

未だにポケベルを使用している人はいませんよね。

リハビリは仮説⇒検証の繰り返しというのは昨年71日に記載しました。

https://familyclinic-cocoro.com/blog-riha/20220701/23/

担当する利用者さんに最新の仮説が良いのか、5年前の仮説が良いのか、療法士が選択肢を持つことは

利用者さんの身体が良くなるうえで有益でしょう。

 

・昔の治療法しか行えない療法士

・最新の治療法も、昔の治療法も行える療法士

あなたはどちらの療法士にリハビリを担当してもらいたいですか?

 

常に新しい仮説を立てられるよう、学会など外に文章を出して自身のリハビリを振り返る機会を持つことは大切と思います。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。