正論を突きつけること

2023年06月30日 訪問リハビリテーションこころ

「筋力をつけないと歩けるようになりませんよ」

「そんなに甘い物を食べたら糖尿病が悪化しますよ」

「そんなに寝てばかりでは体力が落ちますよ」

いずれも正論です。

入院中であれば食事制限や運動療法を頑張るよう言わねばなりませんし、患者さんも頑張るでしょう。

ですが、訪問リハビリでズバッと言いつけると利用者さんとの関係が悪化し、終了になる可能性が高いです。

 

皆さんも、自宅を訪れる人から

「もっと運動しないと体力がつきませんよ」

「そんなに食べたら体重が減りませんよ」

「寝ないで勉強しないと東大に入れませんよ」

と毎週、言われたらどんな気持ちになりますか?

いずれも正論ですが、うるさいなぁそんなことわかってるよ、となりませんか?

私ならなります。もう来ないでくれと言うでしょう。

 

正論を突きつけることは必要なんでしょうが、利用者さんがどんな生活を送りたいか?

気持ちの「共感」が抜け、利用者さんに寄り添えないと訪問リハビリはうまくいきません。

利用者さんだって

・運動を頑張らなきゃいけないこと

・たくさん食べたら糖尿病が悪化すること

・寝てばかりいると体力が落ちること

なんてわかっているはずです。

 

であれば、なぜその行動をとるか?なにか頑張っていることがあるのではないか?

その気持ちや習慣、嗜好や来歴を知らずに正論ばかり突きつけるのは…対象者を追い詰める行為です。

自身が「正しい」と思っていることを他者に押しつけることは危険、ということですね。

もう少し広い視野を持って

・利用者さんは何を頑張っているか?

・まず、何から手をつければ改善できそうか?

を「一緒に」探す姿勢が大切と感じます。

繰り返しますが、療法士と利用者さんが「一緒に」頑張るという姿勢がポイントですね。

利用者さんは既に精一杯頑張っていることは、昨年6/17ブログに掲載しました。

https://familyclinic-cocoro.com/blog-riha/20220617/20/

相手の気持ちを共感しながら進めていくことが訪問リハビリには必要と考えております。

口で言うのは簡単ですが、実践するのは容易ではありません。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。