リハビリテーションは「気づき」を与える

2023年06月16日 訪問リハビリテーションこころ

自転車に乗れるようになった時のことを覚えていますか?

○○筋力がついたから乗れるようになったわけではないはずです。

 

ペダルの漕ぎ方、ハンドル操作、バランス保持体幹、あたりが大切でしょうか。

「どうやって足を動かすか?」「どうやって腕と体幹でバランスをとるか?」

それぞれの身体部位が適切な運動方法を学習したため自転車に乗れるようになったと思います。

今までなかった新しい感覚に「気づき」、その感覚で良いか記憶・判断して適応していった形ですよね。

 

乗れるようになった直後は色々な身体部位を意識して動かし、体のあちこちに力が入っているでしょう。

徐々に最適な体の動かし方に「気づき」、無意識で力を抜いて乗れるようになることと思います。

初めて行うスポーツを上達する過程でも、上記のように新しい感覚に「気づき」、

徐々に無意識に力を抜いて動けるようになる流れが一般的です。

 

前置きが長くなりましたが、リハビリテーションではケガやご病気によって

以前、行えた活動をできなくなった方に実施することが多いです。

もちろん、筋力や関節可動域など身体機能が低下している場合がほとんどですが

以前、やっていた運動方法や感覚を思い出せないケースが多々あります。

 

以下、一緒に考えてみてください。

あなたが3か月間、入院してその間はほとんどベッドにいて動かなかったとします。

入院前と同じように走れますか?歩けますか?

おそらく「以前、やっていた感覚」を思い出すまでに時間がかかります。

高齢者であればその時間が長くなることに加え、一人で思い出すことが困難なケースも予測されますよね。

 

リハビリでは

「イスから立つ時に、頭を膝より前に頭を出すとうまくいきますか?」

「足の指先に体重を乗せるとイスからうまく立てますか?」

このように体を動かす感覚や、体重を乗せる場所について「気づき」を与えて以前の感覚を思い出せれば

一回の練習で動作を習得できること、結構あります(あくまで一例ですが)。

 

触らないリハビリについては6/2ブログで掲載しました。

https://familyclinic-cocoro.com/blog-riha/20230602/80/

筋力練習など身体機能訓練も大切ですが、対象者が何の情報に気づけばうまく動ける可能性があるか、

特に訪問リハビリでは「気づき」を与える視点を持つことが利用者さんに有益と感じています。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。