2023年06月02日 訪問リハビリテーションこころ
リハビリテーションと聞くと、どのようなイメージを持ちますか?
療法士が対象者の足や手を触ってストレッチする、関節を伸ばす―曲げる、筋力練習をする
道具を使って限界ギリギリまで筋トレをする、外を歩く練習をする
上記のイメージを持つ方も多いのではないのでしょうか。
「リハビリは療法士が身体を触って行うもの」というイメージは根強いと思います。
スペースがある方は、立ち上がって以下の2つを試してみてください。
・踵に体重を乗せ、お尻を後ろに下げる → 左右に体を揺らす
・つま先に体重を乗せ、お尻を前に出す → 左右に体を揺らす
どちらがバランスを崩しやすかったですか?
おそらく前者でしょう。足の指(前足部)に体重が乗れば左右に動揺しても対応できます。
背中が丸くなり(猫背)、歩く際にバランスを崩しやすい高齢者の方は大抵、前者(踵重心)のケースが多いです。
「足裏の体重はどこにかかっていますか?指に体重が乗るとどうなりまりますか?」
と、足裏に注意を向け荷重感覚が変わるだけで歩行が安定すること、結構あります。
○○筋が弱いから、腰や背中の関節の動きが悪いから、という評価をしなくても
療法士が適切に動きを観察・分析して、利用者さんの気づきを促せれば改善は見込めます。
この場合は「足裏のどこに体重を乗せれば姿勢よく、バランスを崩さずに歩けるか?」
のポイントに利用者さんが注意を向け、気づきを促す問いをすることで改善したケースです。
(かなり途中の段階を省略していますが)
リハビリは触らなくても効果をあげられる時代になりつつあります。
コロナ禍で「遠隔(リモート)リハビリ」という言葉も一時、聞かれましたね。
いつまで触るリハビリを続けるんですか?
これは私が尊敬する療法士の先輩(道外で自費リハビリを運営する社長)の言葉です。
・対象者の身体に触れて細かく評価しなければ改善までの道筋を立てられない療法士
・対象者の動きを観察・分析し、「○○が良くなれば改善しそう」と触らなくても仮説を立てられる療法士
どちらの療法士にリハビリを担当してもらいたいですか?
もちろん触らなければ効果を出せないケースもありますが、触らなくても改善する手段を提案できるよう、
療法士が動きを観察・分析する「目」を鍛えるのは大切と感じます。
リハビリでもロボットや機械など様々な道具が出てきていますが、療法士自身の治療の質が落ちないよう、
時代の変化についていかなければなりませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。