2022年10月28日 訪問リハビリテーションこころ
右片麻痺の対象者:「この悪い方の足(右足)がうまく動かなくて…」
療法士:「その“悪い方の足”の運動をしましょう!」
こういった会話を耳にすることがあります。
何か違和感に気づきましたか?
療法士が「悪い方の足」と言っています。
これからリハビリで良くしようとしている足に対してです。
怪我した方の手を「痛い方の手」
片麻痺やケガした側の足「悪い方の足」
このように対象者が思っているうちは、動くように、痛みがなくなりません。
受傷した手足でも動くように、痛みがなくなるように支援するのが療法士の仕事です。
そのために「この足でも、この動かし方なら上手に動く」
「この手でも、この使い方なら痛くない」対象者にこのように解釈してもらう必要があります。
上記の話は私が尊敬する、痛みのリハビリテーションを研究している講師から教わりました。
「痛い方の手」
「悪い方の足」この解釈から対象者を開放することが機能回復に向けた第一歩ですね。
私は必ず「右手」「左足」という言葉を使います。
「悪い方の足の筋力がつかないと、歩けるようになりませんよ」
「この右足の筋力がもう少しついたら、歩けるようになりますよ」
どちらの言葉を使う療法士に担当してもらいたいですか?
同じことを言っているのに、言葉の使い方で対象者の自身に対する身体の捉え方は異なります。
それはリハビリテーションにおける機能回復にも差が出ることが多いと感じます。
対象者が自身の身体について良い解釈をできるよう、適切な言葉を選択できるよう、
言葉の力を大切にしていきたいと考えております。
言葉の力はすごいですよね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。