2022年09月16日 訪問リハビリテーションこころ
「入院中にリハビリして病院内での歩行、トイレや入浴などできるようになりました!」
↓
「退院してから自宅ではできていないんです…」
これは病院勤務してリハビリ業務をしていた頃に何度も経験したことです。
回復期リハビリ病棟にいた時も、外来リハビリしていた時も、病院でリハビリしたことが
自宅生活に活かされていないことを痛感し、もどかしさと無力さを感じました。
自宅退院⇒2日後に転倒、骨折⇒再入院となった時は何をリハビリしていたのか…申し訳なく思いました。
筆者が訪問リハビリ業務で地域に貢献しようと思ったきっかけですね。
訪問リハビリ:自宅でリハビリするため、実際の環境で動作練習や、不足している筋力練習を行える
⇒できるようになったことが、日常生活の自立につながりやすい、訓練の「量」は不足
病院リハビリ:訓練器具が揃っていて、筋力や関節可動域など身体機能向上に適している
⇒自宅を「想定」した練習は可能、病院でできたことが自宅で行えないことも
上記は私見ですが、それぞれメリット・デメリットがあるのは明らかです。
上述しましたが、病院のリハビリでは自宅での転倒を防ぐ限界を感じました。
ケアマネジャーさんが作成するケアプランを拝見することがありますが、
「腰痛・筋力低下があって、起き上がりや歩行、通院が大変。転倒を繰り返す」という課題に対し
⇒手すりをレンタル、訪問介護で通院の介助をする。
上記のみのサービス導入となるケアプランをしばしば見かけます。
一見、起き上がりや通院、転倒リスクなど、今できていないことを支援する上で良いように思います。
が、なにか不足していることに気づきましたか?
「腰痛・筋力低下があって歩行が大変」についての支援がありません。
上記の支援ではおそらく1年後には身体機能が低下し、転倒リスクが高まっていることが懸念されます。
あと1年、早く介入できれば転ばないで生活する可能性があったのに…というケースもよく経験します。
どこで転倒しているのか?何が原因なのか?どうすれば転倒が減らせるか?腰痛が軽減するか?
自宅内で転倒せず快適に生活するためにどのような身体機能・手すりなど環境調整が必要か?
これを評価、対策するのを訪問リハビリは得意としており、1年後の転倒リスクを減らせる援助ができます。
転倒が0にならなくても、極力減らすための最大限の援助は行えます。
お困りな方がいればお力になれることと存じます。
もちろん上記の視点を踏まえ、訪問リハビリを導入してくださるケアマネジャーさんも多数います。
訪問リハビリがどのように役立つか、もっと地域に告知する必要があるのかもしれませんね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。