2022年08月26日 訪問リハビリテーションこころ
痛みは孤独です。
ケガや病気をきっかけに、健常者には理解できない痛み・しびれを発症する人が多数いらっしゃいます。
自分しかわからない感覚で、他者に伝えられないことが辛さを助長します。
神経など器質的な損傷が原因のこともあれば、器質的な損傷がないのに脳内で自動的に生じることもあるのです。
・左足が痛いけど、びっこを引いていると思われないように頑張って歩いている
・両手が痛くてしびれるけど、なんとか普通に手を使用して食事をする
このように、痛みが辛くても他者から見て自然なように、普通に見られるように頑張っている人は多くいます。
一見、普通に動いているため、他者から「あの人はどこが悪いの?」とい言われることは
痛みを抱える人にとって心に刺さる、辛い一言となります。悪気がないことはわかっていても。
国際疼痛学会(IASP)では、痛みは「組織の実質的または潜在的な傷害と関連した、あるいはこのような傷害と関連して述べられる不快な感覚的・情動体験である」と定義されています。
情動体験である、ということはその人が「痛い」と感じればそこに痛みがある、という考え方ですよね。
他者に伝えられず、自分にしかわからない辛い症状が、人によっては24時間続きます。
「動くと痛むのではないか」という不安から、体を動かすことが怖くなり自由に動けなくなります。
感じているのは本当に「痛み」なのでしょうか?
我々が「痛み」という言葉しか持ち合わせていないから「痛み」と解釈するしかないわけで、
その人が感じているのは痛みとはまた違う感覚なのかもしれません。
痛みは孤独です。
「言っても理解されないから」と痛みを言葉にして、他者に伝えることを諦める人もいます。
「今まで誰にもわかってもらえなかったの。話せて心がホッとしたわ」
と話を聞くと、今までどれだけ辛かったかと、胸が痛くなります。
当事業所には上記を心得ているスタッフが多数在籍しております。
「今週も痛いと言っているな」と流さず、対象者に寄り添う療法士が今後、増えればいいなと感じます。
痛みの評価・治療やコーチングスキルについては後日、お伝えしますね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。