2025年10月06日 こころ院長ブログ
「認知症」とは、いろいろな原因で脳の細胞の働きが悪くなり、さまざまな障害が起こって、生活するうえで支障が出ている状態のことを指します。
そのほかに、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、、、などなど、具体的な病名としても認知症があります。
多くの方は、医療従事者も含めて認知症を病息と考えてしまいますが、私は、単純に認知機能が低下した状態と考えています。
原因が何であれ、認知機能が低下すれば認知症であり、その程度が軽いか重いか、の違いでしかない。
原因のいかんにより、治療薬剤が変わることはあるが、それ以外の対応は、ある程度共通する。
薬以外の対処法は、ある程度共通する。
例えば、認知リハビリテーション。低下してしまった認知機能の訓練、これ以上低下しないようにする訓練、代替的な能力の向上に努めて生活の質を上げるための訓練、などなど。
他に、認知機能低下による生活の質の低下を改善・補填するための環境調整。
介護に携わる者への啓蒙、例えば、できないことをみるのではなく、できることを見つけてあげ、評価し、ほめて、自信と自己肯定感を伸ばしてあげる、
できないから全部やってあげるのではなく、できる限り自分でできることを増やせるように介助しながらでも自分でなんでもやらせてあげる、やるように
させる。
人としての尊厳を守って、一個人として、一人格として接するようにする。
栄養や衛生面をしっかりサポート、チェックする。
やりがい、域外、楽しい・楽しみと思えることを生活の中に探す、作り出す。何か本人の役割、となるものを探す。
などなど、挙げればきりがない。
薬剤治療には、限界があり、在宅医療における認知症の治療・対応には、薬剤治療以外のケア・接し方・対応が求められると私は、考えています。
認知症は多かれ少なかれ認知機能が低下した状態と考えれば、ある年齢をすぎれば、誰しもがその状態になる、なっているとも考えられます。
どころ比較するか、何と比較するか。
肉体だって、全盛期の20代から30代のころに比べたら、それ以上の年齢になると衰えを感じるはず。
認知機能がって、全盛期が20~30代なのかは不明ですが、40代以上になってくれば、なんだか、新し事を覚えるのがつらくなってきた、
忘れっぽくなってきた、できたことができなくなってきた、集中力が続かなくなってきた、、、、、などなど認知機能の低下を、衰えを
多かれ少なかれ感じます。
広く言えばこれも認知症の一端とも考えられます。
体が衰えてきたら、みんなトレーニングや減量、食事の改善などなど、対処を考えます。
認知症も同じです。衰えを感じた時が、対処を考える機会です。
出不精だったら、ちょっと社交場まで、社会の中に顔を出してみる。外の世界に触れてみる。
何か始めてみる。相談してみる。
なんでも試してみるといいと思います。
どうしたらいいのかわからなければ、クリニックに、保健師に、地域の医療介護のスタッフに、家族に、友達に、
相談してみたらいいと思います。
誰だって、認知機能も体力も衰えてくるもの。認知症になったらどうしよう、そうだったらどうしよう、怖いから、
気が付かなかったことにしよう、きっと大丈夫だと言い聞かせて目を背けるのではなく、
そうかもしれないけど、そうだったら、なんとかするために相談してみようと、一歩前に進んでみることが、
健康長寿への第一歩ではないでしょうか。と私は思います。
これは、私に個人的な考えですので、医学界の認知症の考え方、治療法とは、特に関係はありません。
在宅医療、地域医療に携わる、外科医・内科医・リハビリテーション医としての、個人的な想いです。