華麗なメス捌き、は幻想?

2024年09月16日 こころ院長ブログ

医療を題材にした漫画やアニメ、ドラマ、映画などでよく聴く、

天才外科医の華麗なメス捌きってやつ。

あれは、幻想ですかね。

外科医として、自分で言うのもなんですが、手術は好きで、

決して下手ではなかったと、自分を評価していますが、

その中で、手術がうまい、という先生方の手術を

手伝わせていただいたい、実際に見てきました。

その中で思ったことは、手術の上手な先生は、

例外なく、知識と経験がすごい。

手術一つ一つ丁寧。

解剖学に精通しており、基本に忠実に丁寧に、

出血が少ない。

結果として、手術時間が短い。

手術の成功率が高く、合併症が低い。

それが神の手の真実。

メスは基本的に最初に皮膚切開をするときくらいしか使わない。

なので、メス捌きは、下手くそな人はいますが、他は、

おおっていうような捌きはない。

みんなおんなじ。

ましてや、手術開始で、スパパパパっと

メスを使ったり、外野の人がおお、なんて早くて正確なメス捌きだって

感動することもない。

お腹を開けた状態で、内蔵向かってスパパパぱっとメスを捌くことも

基本的にはない。

エンターテインメントの演出としても、事実と全然異なる表現は、

あまりにもチープだなと感じます。

そろそろ、そういう表現やめた方がいいのでは?

というのが私見です。

近々、ロボット手術がどんどん進めば、

なんていうメス捌き→なんていうマウス捌き、クリック、ハンドワーク

なんてフレーズに変わるのかもね。