誤嚥性肺炎のリスクを減らそう、最期までおいしいものを食べよう ③

2024年09月06日 こころ院長ブログ

嚥下能力の低下は、なんで起きるのか?

大きなものとしては、脳血管障害や神経性疾患により、嚥下機能をつかさどる部分の

神経が障害されることによります。

また、舌から食道、気管支などの部分の疾患や手術の影響を受けることもあります。

ここについては、原疾患が治療されないと どうしようもないところもあります。

しかし、何らかの原因で落ちた嚥下能力をもとに、もともと持っていた嚥下能力を発揮する

筋力、筋肉の使い方という部分も、使われにくくなることで衰える、廃用という現象が

起こることがあります。

また、認知機能が低下したりして、集中力・注意力が散漫になっている、食事の理解が乏しくなる、

飲み込むという動作の理解ができなくなる、咀嚼をしなくなる、呑み込みが稚拙になるなどや、かむ力が弱い、

上肢の不調で食事の切り分けが困難、口運びが困難、体幹の失調や筋力耐久性不足で姿勢が悪い、維持できない、

味覚が弱くて食事の感覚がおかしい、などなど、様々な要因で嚥下能力、食事能力が低下し、

誤嚥のリスクが高まることがあります。

つまり、誤嚥性肺炎のリスクは、単純に、検査でわかる嚥下能力だけに由来するわけではないということです。

そこまで知ったうえで、VFやVEなどの画像検査の意味を位置づける必要があります。