2023年12月06日 こころ院長ブログ
重度の褥瘡、壊死が進んだ褥瘡--->急性期病院へ入院、転院
と安易に考える医師をはじめとした医療従事者がいる。
せっかく在宅生活をしているのに、褥瘡だけのために入院なんて、もったいない、
と私は思う。
褥瘡褥瘡と、関連の医療従事者は、騒ぎ立てる。
専門医、専門ナースとどんどん特殊化してしまう。
褥瘡なんて、傷の一種でしょ。
ほかの傷と一緒。
適切に対処すれば、在宅でも十分に治癒します。
褥瘡と外傷と、傷は傷。根本的には似たようなもの。
傷の原因を除去して、治るのをアシストすれば治る。
具体的には、
褥瘡の原因となる圧力の除圧。
浮腫や湿潤環境の改善。衛生面の改善。
栄養面の改善。
治癒を促す薬剤、保護材の使用。
壊死した組織の切除、除去。
血流、リンパの流れの改善。
感染除去、改善。
介護者、看護者への啓もうと協力依頼。
などなど。
別に入院しなければならないことは実は少ない。
要は、在宅で、治療、看護、介護する人間の知識と手間をかけることがかとうか、
環境を整えられるかどうかなどにかかっている。
重度褥瘡は、診る・看るのが不安だから、手間がかかるから、そんなに時間かけられないから、
そんな理由で入院となってしまうことが多い。
在宅で最期まで、と謳って在宅医療、在宅看護、在宅介護、施設療養をおこなっているのに、
終末期などで特にみられる重度褥瘡について、十分な知識と経験、スキルを有していないなんて、
ちょっとおそまつだなぁと私は思います。
そういう患者が今、いようがいまいが、積極的に研修を受けるなり、勉強するなりして、
いつでも対応できる準備をしておくべきであると思います。
管理師、認定医、認定ナースなんて資格はいらない。わざわざ取らなくても。
そんなことよりも、責任をもって診られる、看られる知識とスキルを持っている方が大事。
とかく資格偏重な若者たちが多いが、資格を取ることは、そのスキルと知識を得て、実力をつける
ということの結果として、資格が付いてくる、というだけのもの。
どれだけ多くの資格を有してようが、実力がないなら、何の意味もない。
むしろ、資格があるのに能力が足りていないなら、その資格を頼りに依頼してくる医療従事者や
患者さんが迷惑をこうむる。
できないなら、資格なんて持っていない方がいい。
私はそう思うことがあります。
褥瘡こそ、在宅で治すべき疾患の一つであると私は感じています。
そのためには、訪問診療以外の医療従事者、ご家族の協力と理解と知識が必要となります。
外科医なら、だれでも治せるような、一般的な皮膚疾患です。私も、今でいう後期研修医時代に、 褥瘡治療にあたっていました。
つまり、それくらいの経験と知識があれば、対応できる疾患、傷病の一つであるということです。
内科医でも、その他の科の医師でも、ちょっと研修と経験を積めば、正しい治療ができるはずです。