クリニックの経営には暗雲が。。。。

2023年09月26日 こころ院長ブログ

昨今の物価上昇。

各業種で悲鳴を上げておりますが、もっとも苦しい業種のひとつが、

医療介護業界であることをご存じでしたか?

週末にテレビでラーメン屋さんが大変なことに、という番組をやっていましたが

医療介護業界はもっと大変です。

いや、どちらも大変なんですけども。

医療介護業界には打開策が無い、これにつきます。

つまり、価格に転嫁できないのです。

医療介護のサービスに対する報酬は、制度上で決められています。

数年ごとに見直されていますが、基本的には、どんどん削減される方向

強いです。

今までこういうことをしてくださいという事で加算がついていたものが、

数年たつと当たり前になり、加算を外す、その後は、それをしていないところは

減額もしくはペナルティを課すような感じで。

自分たちで、値上げすることはできません。

しかし、薬や注射器などの物品の納入価格は、販売元が、物価や材料コストなどにより

バンバン値上げします。なかには、診療報酬・加算の中に含まれますと、使った材料

の費用すら請求させてくれまい場合もあります。つまり持ち出しですね。

その持ち出しの材料コストが上がるということは、単にクリニックのお金を仕事をすれば

するほど、サービスを提供すればするほど、自腹を切るという形になります。

クリニックや病院は、かなり電気やガスなどの利用をしています。つまり、これらの光熱費

が上がれば上がるほど、経営コストはかさみます。

また、当クリニックのように、訪問診療、訪問看護・介護・リハビリテーションなどを行っている

クリニックは、痰に外来だけを行っているクリニックに比べて、さらにダメージがあります。

ガソリン代です。ガソリン価格の高騰で、ここ2年くらいで、ガソリン燃料費は、1.2倍以上に

なっているでしょうか。

しかも、訪問看護・介護・リハビリテーションに至っては、交通費を請求できない、という

システムになっています。どういうこと?

つまり、ガソリン代の高騰は、売り上げ減少に直結し、それをカバーするすべがない、という

事です。

訪問診療だって、交通費を請求はできますが、当クリニックはもともと、安価に設定しています。

ですが、ガソリン価格が高騰したからと言って、安易に、交通費の値上げなどができるでしょうか?

また、看護師や医師、介護士などの人材不足により、人材は取り合いになっています。そうなると、

給与などの労働条件の向上が必要となります。場合によっては、紹介・斡旋サイトなどを値要すると、

なかなか法外な手数料を支払うことになります。

それに伴う人件費、というものもかなりのコストになります。

運よく、人材を確保できても、其の人材を維持するためには、物価高などに対して、人件費の増額も

検討しなければなりません。

なのに、収入を増やすためのサービス価格を自分では決められない。しかし、政府・役所の方では、

状況に応じた増額を検討してもらえない。結局、医療介護事業をしてる会社が泣き寝入りをする。

いつもそういった形で、医療介護従事者の善意を利用されています。

ですがそれも限界。

介護事業をしている会社もこのままではどんどんつぶれていくでしょう。

早く対策が行われることを期待します。