在宅における経鼻胃管留置について

2023年09月12日 こころ院長ブログ

胃瘻(PEG)を造設した状態での在宅医療、看護は、安定している。

交換も在宅で可能。

だが、経鼻胃管となるとそのハードルはぐっと高くなる。

その理由の一つは、留置の期間。

PEGは、1~6か月は交換しなくてもいい。

なので交換頻度が少ない。

が、経鼻胃管は2週間~交換が必要になってくる。

交換頻度が高いということは、交換に伴うリスクや患者負担、

医療スタッフの負担が増えるという事。

また、交換して、チューブの状態を確認するのにレントゲンが毎回必要

になるという事。

更に、PEGに比べて、不快感や視界にチューブが入ることにより、

自己抜去が多くなる、また、引っかかるリスクも高く、事故抜去の

可能性が高くなる。

それに伴い、入れ直しの頻度が高くなる。

特に高齢者や認知症患者さん、小児の場合には、自己抜去のリスクは

さらに高くなあると考える。

また、栄養投与中の事故抜去、自己抜去では、特に誤嚥性肺炎のリスクが

高くなる。

見た目的にもPEGは服で隠せるが、経鼻胃管は、顔面に固定されている形となる。

これらの条件や状況について、本人や家族の理解と同意が得られていない状況では、

トラブルのもととなる。

自己抜去されたものを夜中や休日に入れ替え、交換、確認作業などが強いられてしまう事も、

医療従事者への負担が大きくなる。

だから、在宅医療を行っているクリニックでは、経鼻胃管留置の状態での訪問診療を

受けるところはかなり少ない。

負担やリスクが、色々な意味で多いからだ。

そこら辺を考慮したうえであれば、在宅で経鼻胃管で過ごすことも、可能ではある。

が、PEGを作ってしまった方が、本人にとっても、医療従事者にとっても、明らかに

メリットが高いことは言うまでもない。。