訪問診療は、高い?お得?

2023年06月09日 こころ院長ブログ

結論から言うとかなりお得なサービスだと考えられます。

むしろ安すぎる。という印象。

訪問診療では何ができるのか。

平均的な訪問診療は、月2回の訪問診察と24時間365日の往診体制・電話相談や

訪問看護や施設などへの指示体制のサービスが受けられます。

外来診察における支払いは、通常、1回5000円くらい。

それに比べて、訪問診療料・往診料は8000円くらい。

自宅にいるだけ、交通費がかからず、医師・看護師などの専門家が自宅まで来て、

自分だけの為に診察をしてくれてプラス3000円。

かなり破格の値段だと思います。

お寿司屋さんに自宅に来てもらい、自分だけの為に寿司を握ってもらった場合、

どのくらい+料金がかかりますかね?

平均的な訪問診療の月額は、大体70000円前後。

疾患や管理料その他の患者さん個々の必要度に応じて加算されることがありますが、

平均するとそれくらいかなぁ。

これを高いと取るか安いと取るか。

1割負担で7000円、3割負担で21000円。

受けられるサービスからすると、前者の7000円は安すぎる。お得すぎる。

後者の21000円としても、安い。お得だと言える。

外来受診を月2回するとして考えてみると、

受診の交通費がかからない。

往復の時間、診療の待ち時間を含めた自分の時間のLOSSがない。

そもそも受診するのが大変なのに、その大変さが解消されている。

そのうえ、24時間365日、困ったことがあれば相談できる、場合によっては、

往診もしてもらえる。

入院が必要な場合に、連携病院などに紹介もしてもらえる。

介護サービスの見直しや指導、お勧めなどもしてもらえる。

それぞれのサービスと連携を取ってもらえる。

契約だが、薬剤も、処方されたものを届けてもらえ、管理もしてもらえる。

これだけのサービスを受けられて、この値段は安すぎる。

果たしてほかの業種で、同じようなレベルでの専門家のサービスが

受けられるだろうか?

保険の負担分を利用しているとはいえ、例えば、弁護士さん、税理士さん、

ボディガード、コンサルタント、家庭教師や塾の先生、飲食業界、

プライベートレッスン、トレーニングコーチ。。。。

多分難しだろう。意味合いが違うが、24時間365日の対応、往診のような

serviceはまず受けられないか、かなり高額になる。

serviceは受けると当たり前になってしまうが、かなりの医療従事者に負担をかけている

ことも認識してほしい。

24時間365日のサービスを受けている、訪問業務を受けているということは、

利用者さんが、自身の利便性を享受することの代償に、

医療従事者の労力と時間を買っている、提供されているということも

心の片隅に置いておいてほしい。

安易に、利便性を追求して、そうあるべきだと決めつけるが、

かかりつけ医制度のように、1人2人しか医師がいないようなクリニックに、

1000人以上の地域住民の外来患者さんやそれ以上の登録患者さんを

24時間対応するようになんて、お役所や政治家のお偉いさんがたが、

話を勧めているけど、働き方改革はどうした?

1日8時間労働、週40時間だったら、クリニックに医師はいったい何人必要だ?

1日3人、5日で15人。あと2日あるので、20人くらいは必要?

その人件費を確保するなら、これから先、国民が負担する医療費は10倍は

必要になるのかな?

風邪でかかったとき、窓口で300円だったものが3000円になってもいいのかな?

欧米のラーメン1杯 5000円くらいの感覚と同じになるけどいいのかな?

そうでないと、クリニックは倒産。

結局、近場にクリニックは無くなり、大きな病院に、みんなで受診。

診療待ち時間は、6時間です。

なんてことになるかもしれませんよ。

もちろん、医療費の値上げは必須です。

そうすると、かならず、医療従事者は、特殊な業種なので、例外ですといい、

医師 看護師は、1週間に(待機や当直も含めて)100時間以上働いても、

しょうがない。そういう仕事だから、と片づけて、

過労死。。。。。

残された家族が訴え出て、メディアがそれを取り上げ、バッシング。

謝罪会見。

適当な改正案を検討し始める。

けど、おなじ議論に舞い戻って、医療従事者は、働き方改革の対象外、例外とされる。

の繰り返しなんじゃないだろうか。

医療従事者はもともと志がたかく、覚悟がある傾向にので、待機や当直、夜勤などに

対して、ある程度仕方ない、仕事だし大丈夫、という気持ちを持っている。

そういった、医療従事者の良心に、国全体が、国民全体が、無償でおんぶにだっこ

になっているということは、心の片隅で知っておいてほしい。

普段、もし、お世話になっている医療従事者の方が近くにいたら、心の中で

いいので、感謝してあげてください。

それだけで、きっと彼らは、彼女たちは報われる。はず。