担当を変える勇気

2023年06月07日 こころ院長ブログ

看護多機能サービス、小規模多機能サービスには、ケアマネージャーが

紐づけされている。

つまり、看護多機能サービスまたは小規模多機能サービスから、通常の介護サービスに

もしくはその逆に変更する場合、担当するケアマネージャーも変える必要がある。

実は、ここが大きな問題。

なぜなら、それらのケアマネージャーが所属する組織、法人が異なることがほとんどだから。

同一法人であれば、法人内での利用者さんの部署移動に過ぎない。多少の上下はあっても

業績は変わりない。

しかし、異法人、異組織の場合、少なからず損得勘定が生まれる。

また、担当していた利用者さんを手放して誰かに任せる、ということに感情的な、責任感的な

もので、ためらうこともあるだろう。

そのために、本来なら、多機能サービスの方が適しているのに、個々の介護医療サービスで

調整したほうが適しているのに、不適なサービス環境にいる利用者さんをしばしば見かける。

そこを、ケアマネージャーの心情や主義、ビジネスの部分を抜きにして、利用者さんファースト

でケアプランを立てられるか、修正できるか、が ”優れたケアマネージャー” だと私は思う。

当法人のケアマネージメントにおいては、基本的に、法人の利益よりも利用者さんの利益を

最大限優先するようにしており、実際、ケアマネージャーもそのように動いてくれています。

しかし、他法人、他組織のケアマネージャーさんに、そこまで強く言うことは、難しい。

提案はします。が、強制力はありません。損得にもかかわることだし、地域医療のチームであるとはいえ、

他の組織の、法人の社員である以上、一定のラインを超えることはできません。

そこを超え続ければ、チーム地域医療は困難となり、当法人は孤立してしまい、

結局のところ、利用者さんの不利益につながってしまいます。

医療、福祉、介護においては、ビジネスである、法人が儲かって存続させねばならない、ということは

他の業種と何ら異なることではありませんが、多少異なるとすれば、あくまでも、利用者さんの

最大利益、最大幸福になるようにビジネスの部分や感情の部分を捨ててでも、努力を

する必要があるという事だ共います。

医療介護保険制度においては、作りが非常に荒く、現場を見据えていないところが多いです。

医業をビジネスとする組織、グループの中には、かなり、ビジネスとして、儲かる為の仕事として

参画、展開している人々がいます。

そのため、悪手として抜け穴、抜け道を使って荒稼ぎする輩が後を絶ちません。それにより、

医療費がひっ迫し、それを解消し、悪行をできなくするために、まっすぐに、愚直に

医業に携わっている人々に、正当な評価と報酬がいかなくなり、結果として、心ある人々の

心を、志をへし折ってしまい人手不足、倒産に追い込む形となっています。

ちゃんとやらなくても診療報酬が高額で発生する → 荒稼ぎする

→ ちゃんとやらないなら報酬を削減する。 → 割に合わないと撤退する。

ちゃんとやっているので診療報酬を高額にいただく ⇒ 経費も掛かる為、利益はそれなり

→ ちゃんとやらないやつがいるので報酬を減額する ⇒ やらないやつが撤退する。

→ ちゃんとしているのに報酬が減額されて経営が苦しくなる ⇒撤退したやつのせいでやることが増える。

→ 儲からないのに薄利多売での活動を強いられ疲弊する ⇒ スタッフがやめていく

→ 経営もマンパワーも回らなくなり、倒産する、M&A、買収される

→ ビジネスライクの大きな組織に吸収され、もともとのちゃんと医業をやるという趣旨からずれていく

というようなことが起こっている場合がある。

ダメな奴は罰すればいい。そいつらの為に、ちゃんとしている人々が被害を受けるのは間違っている。

ちゃんとやっていることはちゃんと評価すべき。

ちゃんとやらないやつには、減額すればいい。

ちゃんとやる為の規制やルールを作ればいい。

それだけの事。

簡単に、診療報酬を下げて、ぼろもうけをしにくくするという対策は、机の上での、会議室での

現実が見えない人たちの策としか思えないなぁ。