2023年03月17日 こころ院長ブログ
医学生のうちにすべきこと。
私見ですが。
医者になった後に、”いいお医者さん”と呼ばれる人になる為に、
努力して身につくことは、身に付けておいた方がいい。
一つは、人と交流する事、遊ぶこと。
大学生なんだから、勉強もいいけど、遊んで、社会勉強する事。
一般社会を肌で感じること。いっぱい、車でも、汽車でも、自転車でも、
色々なところを回って、北海道の地理でも歴史でも、名産でも、なんでも
経験し、知識を蓄えること。
そしていろいろな人と、言葉を交わし、表情を確認し、話術を磨き、
相手も気持ちを察せるようになり、所作を注意深く確認し、感情や違和感を
察知できる能力を身に付けておく。
そうすることで、診察中の会話が弾み、良好な関係性を構築し、言葉では
表現されない症状を見抜き、より正確な診断が下せるようになる。
何となくの違和感を察知し、注意深く経過観察が行えるようになる。
嫌われる医師の多くは、横柄、言葉足らず、表現が悪い、目を見ないで話す、
心がこもっていない、心無い言動、話を聞いてくれない、人として見てくれない、
などの医学的な知識、スキルとは別のところで評価されている。
もう一つは、もし決まるなら、早めに何をする医師になりたいのかを決めること。
整形外科、脳外科、血液内科・・・・・。専門科まで決まればなおのこと。
その理由は、もし、やりたいことが決まっているなら、学生の時こそ、その専門
とは違う、別の科の知識や経験こそ、積極的に勉強し、習得すべきであるという事。
専門的な知識やスキルは、働いてから死ぬほど修練できる。
よく、俺は~科にいくから、他のことは試験を通ればいいんだ、早くからその教室に
通って、手伝いなどをして、関係性を作ったり、早くから専門知識や技術を磨いて
行くんだとかいう学生がいるが、もったいない。
学生の時こそ、より幅の広い見聞を広げるべきである。
専門特化が進んだ現代医学、多くの病院では、専門科の医師は、専門については高レベル。
だが、科の中でも、この部分だけの専門医師、などさらに細分化。
しかし、患者は人、色々な疾患を持っている。でも、ごく狭いこの分野だけは診るけど、
あとは、別の専門の先生に聞いてくれ。俺は知らない。ということはよくある。
それではあまりに患者さんがかわいそう。それに、別な疾患の症状が、そこに影響していることも
多くあるが、見逃されてしまう可能性もある。
広く浅くでも広い見識を持っていれば、違和感に気が付き、それをもとに、専門科にコンサルして、
早期発見早期治療につなげられる可能性が上がるかもしれない。
コロナ禍のように緊急事態に、眼科だって、皮膚科だって、発熱外来くらいは、できますよって、
協力体制を組めるかもしれない。
しかし、働き始めてからでは、そういった広い視野の知識の習得や修練は、時間的にも、機会的にも
むずかしい。だからこそ医学生の時にそれを行うべきである。
私自身も、離島医、外科医を目指していたが、学生の時に、積極的に、皮膚科や血液内科、法医学などに
興味をもって勉強した時期があった。そういった勉強は、血となり肉となり、
どこかで役に立っているかもしれない。