2022年12月09日 こころ院長ブログ
通院、通所が高齢者や障碍者に与えるストレスを十分に考えよう。
安易な、通所、通院のすゝめは禁物。
外に出かけさせる機会を作ることで、社交性を維持するため、と借り物のようなフレーズを
よく耳にする。
それはそう。
人と触れ合う事で社交性を維持することは人間にとっては大事。
だけども、それって、万能ではない。
その人その人にちゃんと合わせて、計画している?勧めている?
外来クリニック、外来病院では、通院しか手段が無いため、通院を勧める。
その通院間隔は、その人の病状に合わせてということもあるが、多くは、
画一的。
とりあえず、毎週、とりあえず、月1回・・・・。
採血、レントゲンは毎回とる。本当に必要?
外来での売り上げを考慮すれば、毎月でも、隔週でも、いっぱい来てくれる方がいい。
だからと言って、むやみに外来通院させていないだろうか?
月1回位の診察で、体調変化を確認することに異論はない。あけすぎると、変化が起きる可能性もあるし、
あけすぎると、微妙な変化に気が付きにくくなる。
しかし、高齢者や障碍者の通院にかかる負担を考えているだろうか?
タクシーに乗って、バスに乗って、歩いて、通院している。
その際に、どれほどの労力と金銭的負担がかかっているだろうか?
待ち時間は、少なくできているだろうか??
外来受診すると、1時間待ちは早い方で2時間はいつも、ヘタすると1日がかりになっちゃうって話も
よくうかがいます。
ましてや、複数の科にまたがる場合に、それぞれの科で曜日が違うなんて・・・。
せめて、同じ病院なら、同一日にまとめてあげてくれないだろうか?
通院通所、治療、リハビリテーション。迎えがあるから、毎週、週2回おいでって。
行って、帰るだけでも結構な負担、それにリハビリでの、治療での疲労。
毎回、1~2日くらいぐったり動けないなんて話も聞きます。
それって、本当に本人の生活に良くなっているのかな。
そういった場合には、訪問リハビリを勧めています。
家で待っていれば、リハビリが向こうからやってくる。それまで体力を温存できる。
リハビリ終了後も、そのまま自宅で休憩が取れる。
いつものリラックスした環境でリハビリができる。
行帰りの時間と体力、交通費がかからず、色々と負担が少ない。
通院も、近所のクリニックに変更し、専門的な診察は、年に1~2回に減らすとか、
現在の治療レベルをある程度保ちつつ、楽に生活できるような、そんな地域医療も
お勧めしています。
本当に、どこまでの専門的な治療や診察が必要なのかを問いかけてみる必要があります。
また、同じリハビリテーションでも、認知機能・身体・内科的な部分まで全部対応してくれる
リハビリと脳、神経、整形外科の専門性に特化したリハビリとでは、内容は全然異なります。
本当に治したい局所のリハビリをしたいのか、あれもこれも困っているので全部何とかしてほしい
リハビリなのか、そういったことも考える必要があります。
ただ、家の外に出せばいい、リハビリを受けさせればいい、専門医に見せればいい、
そんな簡単なことではないのです。
安易なディサービス、安易なディケア、安易な通所リハビリテーション、
安易な外来通院は、考え直そう。
訪問診療、訪問リハビリテーション、地域医療を実践している立場から、あえて、
そのメッセージを世に送ろう。