2022年11月26日 こころ院長ブログ
かかりつけ医制度を法制度化するなんて、阿呆なこと、本当にやる気なのか?
現場を知らずして、耳障りのいいことをやろうとする。
政治パフォーマンスはなはだしい。
今のところ、そのかかりつけ医という概念もざっくり間違えていいるのに。
詳細に決まっていないのに、制度を作るありきで動いている。
政治の不信のあてつけに、医療を巻き込まないでもらいたい。
かかりつけ医とは、その名の通り、かかりつけている、普段かかっている医療機関の
こと。
それが、クリニックでも、病院でもいい。別に内科でなくてもいい。
普段相談できる医療機関であればいい。
それが近かろうと、遠かろうと。
そこに行けば、自分のカルテがあり、以前のこともわかる、データもある。関係性もある。
行きつけの飲み屋、行きつけの食堂、いつも行く美容室、いつも通うジム、みたいなもの。
行きつけでも、店が閉まっていることはある。そんなときはしょうがないじゃない。
政府の言うかかりつけ医は、単なるクリニックのコンビニ化に過ぎない。
かかりつけ医を義務化し、契約化し、契約したかかりつけ医は、休日でも診察しなければ
ならない?
求めに応じて往診しなければならない?
かかりつけ医を通さないと、病院へは行けない?
かかりつけ医以外に勝手に受診すると、保険診療が受けられない?
かかりつけ医にかかるのに、かかりつけ医契約の為、毎回支払う料金が上乗せされてしまう?
かかりつけ医契約をすれば、患者さんは、いつでもいつものクリニックに連絡でき、安心して
生活できるといる。その利便性を享受するために、どれほどの負担と経費をクリニックに強いるのか?
休日と言いながらも常にクリニックは応召するためのスタッフを確保しておかなければならない。
スタッフの契約人数は、単純に2~3割増し位必要か?
医師一人の場合、もはや休むことは許されなくなる。過労じゃないの?労働条件は、国としてそれはいいの?
また、適当に医師の当直は、看護師の夜勤は、業務の特殊性から、過労には、過剰残業には当たらない的な
言葉だけでごまかすやつ、やるの?
医師の、看護師の働き方改革はどこに行ったの?
そんな制度化したって、契約したかかりつけ医の一定の割合は、休日や往診の対応、ちゃんとしないって。
だいたい、今までだって、ちゃんと頑張ってやっているところは、ボロボロになるまで、地域の為に
最前線で働いていたのに。
手を抜く、サポる、リスクを冒さない、お金にならないとやらない・・・、そんなクリニックが一定割合
あるからって、全部無理やり制度化する、義務化するのはばかげている。
また、かかりつけ医に休日かかったとして、その後の休日当番病院。こちらも問題。休日に診療して、
入院させないとともっても、入院できない。受け入れできない。と言われることが多い。
このとき、かかりつけ医はどうすればいい。そこの問題をいつも現場に丸投げ。
かかりつけ医、救急隊はいつも入院先を決めるのに1時間も2時間も、あちこち電話して探さなければならない。
保健所でも何でもいいから、入院受け入れ先を最初から情報として持っていて、そこに連絡したら、
どこそこに受け入れ先がありますという入院調整機関が必要なのでは?
そんなことより、夜間休日センターや救急医療機関の充実、拡充の方がずっと大事。
昨今、湯水のように増えている在宅専門クリニック。
そこに医師はいっぱいいる。
そこからも夜間休日センターに協力を要請すべき。
地域医療の困りごとのすべてを内科に、外来クリニックに押し付けるのは、あまりにも荷物が重すぎる。
内科以外の単科のクリニックも巻き込まないと、数が足りなすぎる。
いわゆるかかりつけ医制度、という政府が言うところの周りに、もっと解決す別記、考えるべき問題は
いっぱいあるのに、とりあえず作って自分たちの実績にしようという思惑が見え隠れする。
やってみて不具合があったら、あとで治せばいいか、みたいな。
やってみてではなく、やる前から不具合、まるみえやん。
なんで、こういったことをやろうとする前に、もっとちゃんと現場の声を聴かないのだろう?
適当に周りにいる人から聞いた話で勧めているのだろうか?
ネットかなんかで適当に情報集めているんだろうか?
医療制度の改悪、とにかく進めていくのは辞めてほしい。
日本のかかりつけ医は、海外のものとは違う。
日本独自のフリーアクセスできる、国民皆保険の世界一の医療制度のなかで、人と人の心のつながりで
生まれる信頼関係、それが本当のかかりつけ医、なのではないか。
かかりつけ医なんて、昔からあるいい言葉を勝手に使わないで、
新しく命名したらいい。
そうだなぁ、コンビニエンス契約医とか。