儲かるのとうまくいっているのは違う

2022年11月20日 こころ院長ブログ

在宅医療・地域医療・在宅看護・介護などの分野でもビジネスモデルであることは、間違いない。

赤字にしていては、事業が続けられないのは当たり前。

だけど、SNSなどに広告で、儲かります、すぐに超黒字経営になるから、フランチャイズみたいなのしない?

開業しない?みたいな案内を見かける。

以前は、何なら、開業自体素人でも、看護師などを雇えば、左うちわで生活できますみたいな。

とにかく、人の下で働きたくないから、開業したい。今よりお金を稼ぎたい、裕福にくらしたいから開業したい。

別に、理由は何であれ、業務やサービスが良いものであれば、私は別にいいっかなと思います。

でも、往々にして、利益至上主義っぽくなると、サービスは、質が低下します。

なぜか?

それは、報酬の体系が、質の良いサービスを行っても、ある程度適当にやっても、その関わる時間や日数、

人数、施設基準を満たすか、などで決まっており、より良いサービスを充実することは、むしろ、生産効率

がわるくなり、その分、受けられる利用者数が減ってしまったり、スタッフにかかる負担が増える為、

雇用しづらくなったり、賃金をあげたり、手当てを出したりしなければならなくなったりするから。

最近、訪問リハビリ、訪問看護、介護施設、ディサービス、障碍者関連事業などに、儲かるから、

儲かる方法を教えます、フランチャイズで左うちわ的な広告をよく見かけます。

残念。ほんと残念。

この手の業界に、金儲けのにおいを強く出さないでほしい。

儲かるからやるのではなく、そのサービスを必要としている人がいるからやる、その結果として、

事業を維持するために儲かるようにする。

楽に稼げる、儲かる、とおもって、介護福祉・医療事業に参画されると、サービスの質の低下が

容易に想定され、地域医療・在宅医療・介護の世界の質が低下してしまうのではないかと懸念する。

参画するならちゃんとした思いをもって、志をもって参画してほしい。

異業種からの参画は、決して悪いことではない。新しい視点から、よいサービスが生まれることもよくある。

しかし、異業種から参画するなら、最低限、医業・看護・介護の基本、想い、必要性などを人一倍

勉強して、理解してから参画するのが望ましいのではないでしょうか?

患者さん、利用者さんは、その会社が、どういう経緯でできていて、実際にはどういうサービスを提供してくれて、

それが当たり前なのか、すごいことなのか、ひどいことなのか、なかなかわからないので、

結局、被害を受けるのは患者さんや利用者さんなのだから。

金をもうけて何が悪い、あんまり激しく働きたくない、自分を最優先、楽して儲けたい・・・、そんな風潮には、

どうしてもなじめない。

愚直に目的をもって自分の為、人の為に労働し、衣食住、不自由なければ、それでいいんじゃないかな。