全軍の指揮をこなせ

2022年11月01日 こころ院長ブログ

地域医療を軍隊に仮にたとえてみる。

主治医を指揮官総司令とすると

軍の名前に意味はないが、仮につけると

診療看護師を親衛隊・近衛兵

訪問看護師を騎馬隊

訪問リハビリテーションを弓隊

訪問介護を歩兵隊

ソーシャルワーカー・ケアマネージャーを軍師・斥候

施設関連のスタッフを槍隊

医療事務を文官

近隣後方支援病院を後方支援砦・城

などをおけるかな。

そうした際に、勝ち戦を進めるための戦いが、地域医療となる。

さて、上昇するためには、どうすればいいか?

もちろん、総司令の能力いかんによるところは大きい。

しかし、軍をもって制圧するには、どの軍だけが秀でていてもだめで、すべての軍の特色を生かして、それをいかに動かし、まとめるか。それぞれの軍の連携が取れるかで、おおきく戦果が変わる。

何が言いたいのかというと、各部隊の特色とその能力を理解し、適材適所で使用し、その情報をもとに、さらに戦略を組み立て、策を弄することが有効である。

単純にADLが低下しているから、歩兵隊をぶつける。

歩けなくなってきているから、弓隊をぶつける、何て単純な戦略ではなく、

現状はこうなっており、どの部隊をどのように充てるかによって、どのような結果が得られると考えられるので、そうなった際には、どの部隊をどこに配置しておくと戦果が効率良く得られるなど、具体的な策を練らないといけないという事。

本能型で出たとこ勝負の才能がある人もいるが、基本的には、論知的に、計画的に策を弄する必要がある。

地域医療の主治医に求められる能力は、多科にわたる幅広い知識と経験はもとより、使える部隊の性質や能力、効能を理解して、それを配置し、指揮する能力、各部隊からの情報を的確に吸い上げるための連携能力、それを苦にしない精神力・忍耐力・人間力が必要と考える。

町医者は、結局、単独でできることは限られている。町にある他の医療資源を有効に活用して初めて、町の地域医療を完成させることができる。そのために、己も地域の医療資源の一つとして、地域の一部になじむ必要がある。

専門医、急性期病院などは、地域医療の重要なパズルのピースであり、治療の主役である。しかし、そのピースは、主役だけでは形がはまらない。主役のピースとピースの隙間を埋める、いびつな形を下余白の部分、余った端っこの部分、いわゆる脇役の部分が、我々町医者である。歯切れの部分であるが、一枚の大きな素晴らしい地域医療の画を完成させるには、主役のピースも大事だが、同様に歯切れの部分、穴埋めの部分もないと、完成しない。同じく重要な存在である。

手術をして治療した、処置をして治療した、先進医療を用いて緩解した、そんな、派手な、かっこいい成果は達成することはほとんどない。地味ーな仕事ではあるが、地域の住民と密着して、その人生の多くの時間を共有することができる地域医療は、とてもやりがいがある、仕事に対する満足感のある、よい仕事だと思います。

もう少しだけ、一緒に地域医療を担ってくるスタッフを募集しています。

心意気のある医師や訪問看護師の応募を待っています。