2022年08月20日 こころ院長ブログ
地域の保健師さんなどのお役所から、ご推薦いただき、認知症サポート医の研修を受け、この度、認知症サポート医になりました。
もともと、地域医療の中で、認知症については、積極的にかかわってきましたので、基本的には、大きく変わることは無く、単純に、肩書きが付いただけ、のような気もしなくもないですが、ファミリークリニックこころオリジナルのもみじ台・厚別スタイルを貫きながら、引き続き、厚別区の地域医療に貢献していきたいと存じます。
一般的な認知症=治らないもの・薬をのむ・ディサービスに通う・グループホームなどの施設に入る・精神科にかかるまたは入院するというような固定概念にとらわれない支援をできたらなと思います。もちろん、上記のことも大事です。ですが一番大事なのは、認知症もしくは認知症かもしれない方の今後の人生をどうするか。
服薬したくない人もいる、ずっと家にいたい人もいる、家族に迷惑かけたくないので早く施設に入りたい人もいる・・・・。認知症といえども、人はそれぞれ。認知症だから画一的な対応をしていいという事ではない。
外来・訪問診療・認知症リハビリテーションを含めた訪問リハビリテーション、訪問看護、訪問介護、訪問マッサージ、通所介護、通所リハビリ、ショートスティ、レスパイト入院、入院入所、ボランティア活動、地域の活動、エビデンスがはっきりしないけど有効かもしれない活動、栄養・生活指導、服薬指導・・・・、使えそうな社会資源はいっぱいあります。それらを十分に使いながら、少しでもその人らしい生活を支援出来たら、いいんじゃないかな。
そのためには、医者だけが頑張っても仕方がない。ケアマネージャー、保健師、民生委員、近隣住民、近隣のお店などの方々、役所の方々、療法士、看護師、介護士、栄養士、薬剤師、鍼灸師、柔道整復師・・・・、できるyだけ多くの人々が、、認知症に対する知識を持ち、固定概念を捨て、認知症という個性がある一人の人として、どうやって接していくのか、を日々あらかじめ考えておく必要がある。
医療・ケアのマネージメントが上手に行く症例では、たとえ記憶が無くなっても、独居で自分らしく、生活を続けることが可能な場合があります。記憶が無くなっちゃうなら、家じゃなくて施設にはいればいいじゃない?そういう事ではありません。さっきの事は忘れてしまっても、今の事はわかります。今、ここで、住み慣れた自分の家で、街で、生活したいという希望が、認知症の方にもあるのです。それを、リスクがあることは承知の上ですが、可能な限りかなえてあげたい、そのために、どのようなサービスで支援すればいいのか、それをみんなで考えて、協力していこう、という事です。
認知症については、高齢化社会で、これから、どんどん、身近な現実的な問題として、大きくなっていくはずです。今こそ、真剣に、認知症と向き合う時なのかもしれませんね。