今後、療法士が開業する時代になるのか?

2022年06月29日 こころ院長ブログ

今後、訪問リハビリ、通所リハビリについて、療法士の開業の制度が整うのだろうか?

療法士の学会、団体としては、そちらにシフトしたいと思っているのだろう。

訪問看護ステーションの一部としての事業所、施設の一部としての事業所では、やはり、自分たちのやりたいようにはできない。

自分たちの理想を追求するなら、自分たちで作るか、同じもしくはそれ以上のビジョンを持っている経営者と組むしかない。

とかく、訪問リハビリテーション事業所においては、個人的には、療法士が立ち上げてもいいんじゃないかな?と思う。

リハビリテーション訪問看護と呼ばれる3か月ごとの訪問看護の介入、果たしてどれほどの意味があるだろうか。現状、訪問看護ステーションから訪問リハビリがでて、3か月ごとに訪問看護が介入する。その訪問看護に体調管理ができているだろうか?その訪問看護は、おそらくほとんどの場合、有事の緊急対応はしてくれないのが現状ではないだろうか?

だとしたら、リハビリ訪問看護の意味合いとは?

それよりも、直性主治医から指示をもらって、有事の際は、主治医に確認する、もしくは週1回介入している訪問看護があればそちらに確認する、方がいいのではないか?

必ず、訪問リハビリに訪問看護が抱き合わせされなければならない理由があるだろうか?

当法人の訪問リハビリは、訪問看護ステーションのものと訪問リハビリテーション事業所のものがあるが、実質ほとんどが、訪問リハビリテーション事業所からの訪問リハビリとなっています。そのほかに、患者さんの病状に合わせて、別に訪問看護の必要性を検討して、必要であれば訪問看護を依頼・介入しています。

訪問リハビリテーションを訪問看護と取るのか、治療のツールと取るのか?当法人では、後者として考えています。

療法士は、訪問看護との連携よりもどちらかと言えば、指示医である医師、病院、クリニックと密に連携するべきであると考えます。看護と連携しなくていいという事ではなく、指示医の意図を理解し、病状や結果を報告し、さらに指示を仰ぐ、そういった密な連携をせずして、サービスを提供していてはいけないと思うという事です。指示医は、訪問看護と密に連携する必要があり、結果として、療法士もチームとして看護と密に連携する必要が出てきます。いわゆる、指示の出しっぱなし、よきに計らえ、自己判断だけでの独りよがりな施術、責任の所在がはっきりしない無責任な医療・看護体制を作らないようにするべきだと考えます。

なので、それができるように制度化するなら、療法士開業には、賛成です。

療法士開業を認めた時に、訪問看護ステーションの訪問リハビリを残すのか、なくすのかという選択も出てきます。どちらのタイプの訪問リハビリを訪問リハビリと定義するのか、それとも両方ともそれと定義して、制度化して利用できるようにするのか?その時、どちらにどのようなメリットデメリットがあるのか?十分に検討する必要があります。

医療法人が経営する事業所は、同法人の医師からの指示が必要という縛りを残すのか、それとも、他の医療機関からの指示も受けられるようにするのかどうか?

細かいことは山ほど決めなければ、検討しなければならないが、そこまで詰めてから、制度化をちゃんと目指すのだろうか?いつものように開業許可ありきで、見切り発車して、不具合が出てから、問題が出てから、調整を図る後手に回るのか?

あと2~4年、時間は十分にある。

さぁて、どうなるのかなぁ。

リハビリテーション事業所、訪問看護ステーションを経営する法人としては、かなり大きな転換期になるんじゃないかと思う。場合によっては経営難に見舞われる可能性もありますからね。

開業ができるようになった時に、単純に、人の下で働きたくないから、トップになりたいから、社長になりたいから、自分は実働しないで人を働かせて暮らしたいから、とにかく儲かりたいから・・・・・、のような不純な輩が、バンバン開業してしまうような、そんな制度にならないことを願います。

看護、介護の世界でも、ステーション、施設、事業所、乱立すると、必ずその質が下がります。真摯に良いサービスを提供する団体ととにかく金儲けと楽をすること、リスクを避けることを重視する団体と、必ず両者が分かれてしまいます。えてして後者の方がお金周りが良かったりするのが、悲しい現実です。

制度を変えるなら、頑張る人が報われ、評価される、必要とする人に十分な質の良いサービスが提供される、そんな制度にしてほしい。十分に、あらゆることを検討してから、嗜好してほしいなと思います。