2022年06月28日 こころ院長ブログ
ケアマネージャーと主治医の関係性は、もっと変わらなければならい。
主治医=患者さんの治療方針、看護、リハビリ、介護、栄養、その他の方針をすべて考えるべき役割
ケアマネージャー=介護保険制度にのっとって、患者さんの介護サービスのより良いプランニングをする役割
ではあるが、医療と介護は、制度上も、役割の上でも入り乱れ、ちゃんこ状態。
訪問看護、訪問リハビリにおいても、医療保険で介入する場合、介護保険で介入する場があり、医療保険では医師が、介護保険ではケアマネージャーが管理をする。
ケアマネージャーと医師は、もっと親密にあるべき。
密に連携を取るべき。
介護サービスが同介入するかで、治療効果、効率は、大きく変わる。迅速に、効率的に、有効に介護サービスを組み立て、開始してもらえれば、治療はもっとやりやすくなる。
患者さんの精神・心のケアは、ケアマネージャー次第でも大きく変わる。
介護保険の制度は、かなりわかりにくい。なぜ、このサービスが受けられないのか、併用できないのか、追加できないのか、患者さんやご家族にゆっくり時間をかけてケアマネージャーに説明してもらえれば、治療やサービスの導入が、スムースになる。
ケアマネージャーは地域に密着しており、その地域で医療を展開するうえで、有効な情報源、情報発信源となりうる。
医師はもっとケアマネージャー一人一人の個性まで見るべきで、ざっくりケアマネさんとしか認識していない医師と、どこそこ事業所のだれだれさんと認識している医師とでは、雲泥の差がある。
患者さんにケアマネージャーを紹介する時も、患者さんのキャラクターや病状、疾患、家族構成、居住環境、今後の展望なども考慮して、どのケアマネージャーと相性がいいかを考えて紹介するくらいのことが、主治医には要求される。つまり、ケアマネージャーさん一人一人の得意とする、相性が合いそうな患者さん像をある程度把握している必要がある。それにより、その後のケアマネージャーと患者さん・家族の良好な関係性の構築にプラスに働く可能性がある。
ケアマネージャーはというと、今よりももっと、成長する必要があるかもしれない。
①コロナ禍でだいぶ疎遠になっている場合があるが、もっと密に患者さんや家族に連絡を取り、何でも相談できる、気軽に相談できる、話しやすい、話すのが楽しみになる、そんな関係性をしっかり作る必要がある。必ずしも直接訪問しなくても、電話でも、ZOOMでも、手紙でもなんでも連絡を取ることはできる。その手間暇を絶対に惜しんではいけない。
②訪問看護、訪問リハビリ、訪問介護、ディケア、ディサービス、ショートスティ、小規模多機能、看護多機能、そのたの医療介護サービスの特徴や長所と短所、上手か介護点数の振り分け方、など、確かな知識と情報を常にアップデートする努力を惜しまないこと。
③事業所・施設の評判や特徴、得意不得意などをしっかり理解し、情報を集めること。たとえば、訪問看護なら、介護訪看が得意だけど、医療看護度が高い患者s何は苦手なステーションやとにかく医療看護度が高い患者を得意としているステーション、緊急対応があまり活発ではないステーション、緊急時の駆け付け時間がかかるステーション、発熱時の対応がまずいステーション、主治医との関係性がいいもしくは悪いステーション、手がかかるようになるとすぐに入院させたがるステーション、反対に入院が必要でも入院させたがらないステーション、リハビリに力を入れているもしくは入れていないステーションなどなど、個性はばらばら。訪問リハビリについても、STがいるところいないところ、超積極的に能力を伸ばそうとする事業所、とりあえず介入はするけど全然成果が上がらない事業所、主治医との連携・報告などを密に行う事業所、定期の文書報告のみで漫然んとリハビリを繰り返すだけの事業所、学術的な検討まで行う事業所、行わない事業所、具体的な目標をもってリハビリプランを立てる事業所、ざっくりとした目標しか建てない事業所などざまざま。訪問介護なら、両氏が上手でおいしいと評判の事業所、まずいと苦情が出る事業所、衛生観念がしっかりしている事業所とそうでない事業所、ヘルパーさんがすぐに退職して入れ替わりが激しい事業所とそうでない事業所、提供できるサービスが限定的な事業所と可能な限り患者さんの為に手伝ってくれる援助してくれる事業所、患者さんとの関係性が良好な事業所とビジネスライクで疎遠な事業所、いつもマンパワー不足で必要なサービス回数が増やせない事業所と十分に提供できる事業所など。小規模・看護多機能では、せっかくマルメなのに、ショートスティが順番待ちで十分に使えない事業所と使える事業所、訪問回数がマンパワーの兼ね合いで限られてしまう事業所と病状に合わせて何回でも様子を見に来てくれる事業所、病状が悪くなったら巣部手放す事業所とぎりぎりまで面倒を診てくれる事業所、認知所などに親身に人間らしく対応してくれる事業所とセンサー機器や薬剤にすぐに頼ろうとする事業所などなど。
それぞれの業種にいて、言えばきりがないくらい、個性や特徴、いいとこ悪いところがあります。目線を替えると、いいところも悪いところに、悪いところもいいところになります。医療経済や会社の運営、リスク管理、患者さんの目線、立つ立場によって、目線によって、良し悪しが変わります。一概に、どれがいいとは言えないのです。
自分が計画して提供を始めるサービスについて、紹介する事業所、ステーション、施設について、情報をしっかり集めることなく、看護だから、ヘルパーだから、リハビリだからと安易にケアプラン立ててませんか?それって、無責任じゃないですか?友人に、おいしいイタリアン食べたいんだけど紹介してほしいと言われて、おいしいかおいしくないか、知らないけど、イタリア料理屋が近所にあるから、行ってみたらいいよって紹介します?もしその店が、すごい接客が横柄で、店内は不潔で、料理は激マズだったときに、友人から何でこんな店紹介したんだって怒られますよ。その時に、いやぁ、行ったことないし、評判も効いたことないけど、イタリヤレストランだったから、紹介したって、許されます?ケアプランでも同じことです。訪問リハビリをプランニングして、介入したら、全然満足のいくリハビリが受けられない、漫然とROM訓練や起立歩行訓練しかしない、マッサージしかしない、本人は、歩いて旅行に行けるようになりたいと言っても、それは無理です、ダメですと、転ぶリスクがあるので、車椅子にしましょうと勝手に決められ、歩くことが禁止されるような事業所だったら?どうしましょう。ちゃんと、リスクも考慮して、旅行に行けるかどうかはわからないけど、その目標に向けてトレーニングしてくれる、プランニングしてくれる、努力してくれる事業所かどうかをちゃんと知ってて、調べて紹介したかどうか、そこで、ケアマネージャーの腕が評価されるんじゃないでしょうか?という事。
情報を売る商売といってもいいので、情報をいかに持っているかがケアマネージャーの商品価値の一つではないでしょうか。
④医療的な知識をある程度もっていること。これは結構難しいけど大事なこと。ケアマネージャーの資格制度からも、医療的な知識をしっかり持っている、持てるようになるということは、実は難しい。看護師からのケアマネージャー転身などの場合は、別ですが。看護師や医師のように、学校でしっかり勉強し、実地訓練も受けた職種と違い、医療現場経験は少なく、在宅で関わる膨大な疾患の知識など、勉強するのは難しいし、日々の業務で勉強の時間もなかなか取れないのが実情だろう。だとしても、医師や看護師などと会話をして、患者さんのケアプランを立てる上では、共通認識として、病気の事がわからないと、話にならない。おすすめは、担当患者さん30人弱の持っている疾患を一つ一つ、その患者さんに合わせて勉強し、医師や看護師と話しながら、教わりながら知識を増やしていく。また新しい疾患が出てきたらその都度、勉強して徐々に増やしていく。教科書などで漫然と勉強してもなかなか知識は増えないし、実用性が無い。まずは、実用中から、必要な知識を徐々に増やしていく。おそらくそれがきっとこれからもしばしば出くわすであろう疾患の知識であるはずだから。効率よく、学んで増やしていく必要がある。
⑤とにかく、主治医のところに足しげく通ったり、連絡を取ったり、報告・相談・依頼したりと、密な連携、良好な関係性を構築する。全責任者、指示者である医師に、言いたいことが言えない、頼みたいことが頼めない、聞きたいことが聞けない、そんなケアマネージャーは、ダメ。他の職種、患者、家族が聞きにくいことも代わりに聞いてくれる、そんなケアマネージャーがいたら心強いね。地域の多くのクリニック・病院・医師と密に連携できるケアマネージャーは素晴らしいけど、30人くらいしかもち患者を持てないのに、あちこちに手を伸ばすと、一つ一つの関係性は希薄になるかもしれない、せめて数か所でもがっちり密に連携できる医療機関を持っておくといいかもしれない。そうすれば、一回クリニックや病院に相談に行ったときに、1回で数名分の報告や相談などができるメリットがある。アポイント、移動など時間を効率的に減らせる。
⑥なにはなくとも傾聴力。患者さん、家族の悩みや話、色々なことを傾聴する能力は必須。ちゃんと話を聞いてくれないという苦情はしばしば聞く。話をしても通じない、ということも効く。望んでいない方向にサービスを勝手に進められつけられたという話も聞く。患者さんが認知症などで、作話・記憶違いや記憶喪失になって、話がずれていることもあるが、多くは、ちゃんと話し合えていない、会話になっていない、決定事項を再確認していないなど、単純な問題が多い。しっかりと話を聞く、もしかしたらいい忘れている、言いそびれている、言いにくいことがあるんじゃないかと掘り下げる、話の内容もこれでいいはずではなく、もう一度、こういった話でよかったよね、内容確認をするなどが必要である。
⑦ケアマネージャーと医師は、上下関係ではない。が、ケアプランは、治療方針にもかかわること。ケアマネージャーによっては、主治医に相談や報告もなく、自分の考えや理想を押し付けてプランニングしてしまう人もいる。主治医が治療方針として、通所で、訪問で、外来でとサービス介入依頼をしているのに、自身の考えと好みなどから、それとは別の方向に話をすすめてしまい、ケアプランを立て、そのプランから介入したサービスについて、医師の指示書や情報提供書が必要なので書いてほしいと依頼される事例がある。そのような場合、たいてい医師は、怒りますね。そりゃそうでしょ、自身が考えるプランを無視して、別なプランを押し付け、さらに指示書や情報提供書は書いてくれなんて、失礼ですよね。最低限、こういった理由で、こっちの方のサービスの方が自分はいいと思いますが、いいですか?良ければ、書類お願いしますなどの相談や、そもそもプランニングの前にどういったサービスがいいか相談するような手間や関係性が無いと。なんで医師が、そのサービスを入れたいと思っているのか?そこを理解しないで、自分のプランを押し付けてはいけない。それはチームとは言えない。そうなると、医師とケアマネージャーの関係性はどんどん悪くなり、さらに連携が悪くなり、ひいては、患者さんの不利益になってしまう。プランニングについてはしっかり医師の意見も聞くことが大事。介護サービスで何か患者さんに問題が起こったときに、対応してくれるのは主治医なのだから、勝手にプランニングしておいて、困ったときだけ、主治医の先生にお願いしますでは、気分を害される先生が多いのは、仕方がないことかもしれません。お互い人間なので、そこは、しっかり関係性を詰めておかないと。
⑧ケアマネージャーは、患者さんと医療従事者の間に立つ立場なので、非常に大変で、ストレスフルな業務だと思います。そのストレスを減らす最大の方法は、人間関係の構築力です。患者さん、家族、医師、看護師・・・、話をしに行くときに、話すのが楽しみになるような関係性を構築できるようになれば、仕事が楽しいものになる。逆に、関係性が上手く作れず、毎回話に行くのに緊張する、ストレスを感じる、嫌だなぁと思う、早く終わらせたいと思う、そんな関係性を作ってしまったら、ストレス以外の何物でもない。苦痛でしょうがない仕事になる。
⑨自分の法人の関連業務(事業所、ステーション、施設など)のサービスを強力に進めたり、秋があるからと施設に入居させたりしない事。あくまでも、入居が必要な状態で希望があるから入居を勧める。同一法人のサービスが優れているから、適切だからすすめる。これはあり。
こうみると、ケアマネは、とても難しいがやりがいがある仕事に見える。当法人でも、7月1日から、事業所を開設して、ケアマネージャーを有するようになります。いきなりは無理でも、少しずつ、上記のようなことができるケアマネージャーに進化してもらいたいなと思います。