2022年06月27日 こころ院長ブログ
昨日、札幌市の休日当番病院無事に終了しました。
当番病院をするときはいつもそうなのですが、かなり遠方からも患者さんがいらっしゃったり、救急搬送されたりします。
基本的には、入院が必要な重度の方は、入院設備が無いので、2次救急に直接搬送する、行くことをお勧めしています。
二度手間になってしまいますし、苦しい時間が長くなり、治療が遅れてしまいます。ましてや、札幌駅をまたいで、厚別区の端っこまで搬送する、受診するなんて、そして、当番病院が、西区、手稲区、東区、南区、中央区しかない時などは、さらにそこから、搬送病院まで、1時間以上移動がかかったりしますから。
それでも、なぜか、搬送先がない、受け入れ先が無いとの事で、よく連絡が来ます。
基本的に、当クリニックでは、小児科救急やあきらかな婦人科救急、精神科救急のような状態でなければ、お断りはしないで、受けることにしています。
当番病院なので、それが仕事ですし、当番病院がすべて断ってしまったら、路頭に迷ってしまいますから。
受けたうえで、必要であれば、2次救急、3次救急の病院に紹介させていただいています。
相談先、受け入れ依頼先に、安易に断られると、患者さんも救急隊の方々も、すごく困ります。
田舎や地方の方に行けば行くほど、受け入れはスムースだったりします。なにせ、そこしか受け入れる先が無い、当番が無い、断る選択肢が無いから。
札幌市のような都会だと、何件か当番がある、最終的には、医大や北大、市立病院などがある、どこかほかのところが診てくれるだろうという安易な発想が無いだろうか?
紹介先で、断られ続けた経験も何度もあります。いち早く搬送して、治療してほしいのに、2時間、3時間、下手したら見つからないことも・・・。
こんな状況で、かかりつけ医制度を制度化して、本当にかかりつけ医の先生方が、24時間365日、調子が悪かったら診てくれるのかなぁ?
電話がつながらない、電話に出ても明日おいでと言われる、様子見てと言われる、何かあったら救急車を呼びなさいと言われる、電話しても解決しないから別のクリニックや病院に夜間休日だけかかってしまうなどの問題が容易に起こるだろうなと推察される。
休日当番ももう少し、地区をばらけさせた方がいい。
昨日の当番、清田区・白石区・厚別区で当クリニック1件だけ。
2次救急も、札幌厚生病院と手稲恵仁会病院。
災害救急もそっち側だけ。
そんなに偏ったら、市民が困りますよ。もう少し、地区的にばらけさせてほしいな。
ちなみに、休日当番をするにあたり、お休みの日にスタッフにお願いして働いてもらうので、当然、コストがかなりかかります。
当クリニックの場合、代休の付与+賞与という形で、休日労働を強いています。
休日当番は、年末年始など、とんでもない劇務の時いがいは、ほぼほぼ人件費などで、経営上は赤字になります。
普通のお店なら、お休みの日にわざわざオープンして、赤字にしますか?
医療というや社会公益性の高い業種だからこそ、医師会を中心に、分担して、医療が途切れないように、赤字にしながらも誰かが当番として対応できるようにしています。
思い付きで、イギリスとか海外のまねごとをするような感じで、中途半端な制度化は辞めてほしい。
むしろ、当番病院の数を充実させて、当番病院にすこしでも人件費の足しになるような補助をしてあげたらいいと思う。
患者さん来ようがこまいが一定の人件費がかかっていることが、小さな商店(クリニック)の負担になっていることも政府は考えるべき。
むしろ、各区ごとに夜間急病センターでも作って、同区の医師に年2回ずつでも当番医をしてもらい、その代わり、夜間休日は、同区の住民はすべて、その診療所か、2次救急病院にかかるようにしたらどうなんだろうか?それで、当番医が回ってこないなら、当番医もだいたい年2~3回のペースで回ってくるのでトントンかな?急病センター当番の時には、医師にも看護師にもバイト代が入る、センターだから断らないので、患者さんも救急隊も困らない。今まで市に1件のセンターだったものが各区になることで、混雑がかなり回避される。センターは市が運営するなら、人件費も各各のクリニックや病院の負担にならない。検査設備もある程度充実させられる。連携も取りやすい。医療統計も取りやすい。応援も呼びやすい。
あんまり悪いことはなさそうだけど。
中途半端なかかりつけ制度よりは、夜間休日の問題は解決しそうだけどな。