2022年05月10日 こころ院長ブログ
王、大統領、社長、リーダー・・・、トップにいるものの頭に何があるかで今後の戦局、政局、会社の行く末は大きく変わる。
前進あるのみ、拡大あるのみ、後退は恥だ、勇猛果敢な王は、精力的だし、勇ましいし、魅力的だ。だが、そこには破滅の道が待っている。
時の運や時流、判断ミスや想定外の事、色々なことで、想ってたのと違う・・・未来になることはある。想定はしていたが、悪い方の想定で、想ってたのと違う結果になっている、ということは社会の中ではよくあること。
この段階で、どう考え、どう動くかで、事態は変わっていく。同じことをするにしても、どう考えて、どう選択するかで、その後の対応の速さや正確さが変わる。
頭の中に、撤退・後退・停止、というマイナスなイメージの選択肢を持てるかどうか。ここが大事。
現在のロシアで例えるなら、
戦争・侵攻の正当性なんかは、情報が無いし、当事者ではないのでわからん。
ただ、戦局は厳しい、思っていたよりもかなりの時間がかかって、双方にかなりの犠牲者が出ているにもかかわらず、東地区での戦闘が続いている。世界世論からの孤立も甚だしい。経済制裁の影響もじわじわと来ている。ロシア国民の生活も厳しくなっている。
それでもなお、勝ちしかありえない。勝つまで、撤退しない。成果が上がるまで撤退しない。という強いメッセージを出している。
しかし、そこに、平和的な交渉で終わらせる、一旦撤退するという作戦は、どこまで真剣に考えているのだろうか。それは、当事者ではないのでわからない。
権威が失墜しないように、自己の権益を守る為、保身のために、交渉・撤退の2文字をそもそも実行する選択肢を置いていないのではないか?
こうであれば、交渉する、撤退するという条件も、絶対に相手に行け入れられない条件を掲げていたら、パフォーマンスだけで、考えているとは言わない。
侵攻により多くの犠牲を出してしまったことは無かったことにはできないが、ここから先、核兵器の使用も危惧されるが、名誉ある撤退、敗戦を自ら主導することで、失墜した世界の評価をある程度回復するという選択肢は、考えていないのだろうか?
被害がこれ以上ひどくならないように、ロシア崩壊まで至らないように、最善の策をちゃんと考えているだろうか。
こういったことは、会社や組織、部活などでもいえること。イケイケどんどんの時は、風呂敷を大きく広げていくが、その途中、幾度も困難は生じる。その際に、風呂敷をたたむのは格好悪いから、と、広げた風呂敷を広げたままで取り繕おうとしたり、さらに風呂敷を広げていって何とかしようとしたりすることで、うまくいくことももちろんあるが、失敗して、風呂敷全体に大穴を開けてしまう事もあるだろう。そういったときに、風呂敷をいったんたたんで小さくする、という選択肢を持っており、それを実行する、もしくは、実行することを想定して、風呂敷を維持する、というジャッジができるかどうかは、組織や会社・部活の力を維持しながら、改善していくための大事な要素ではないのかな。
不良債権に不良債権を重ねて、破綻する、調子のいいことを言って高利回りをうたい、それを維持するためにずるをしなければならなくなり、結果、違法行為で逮捕される、借金に借金を重ねて、借金を返すために借金をして結果として自己破産する、
身体を痛めているのに今の結果を評価を気にしすぎて治療や休憩ができずに、大きなけがをして引退に追い込まれたり。
より良い将来の為に、現在の自分や組織の評価が、多少損なわれようと、撤退・縮小・休憩などの選択肢を、必ずしも実行しなくてもいい、ちゃんと持っていられるか。休む気になって、やめてしまう気になって、それでも、その選択肢を取らずに、この方法で乗り切ろう、という案が出て、実行できれば、きっと頑張れる。そのあとで、やっぱり駄目になったとしても、重大な、再生不良な事態になる前に、先に考えていた、休憩、撤退の選択をスムースに選べるはず。そこから、もう一度、体制を整えて、再起を図ることもできるはず。