コロナ抗原検査の自主検査推奨の方向は大丈夫か?

2022年01月25日 こころ院長ブログ

症状が軽微で持病が無い若者の医療機関受診を抑え、医療ひっ迫を軽減し、数の限られたPCR検査や受診枠をより必要とする高齢者や持病がある方、症状が比較的重たい方に優先するための措置として、持病が無い若者のPCR検査などを辞めていく方向に一部の専門家の考えがシフトしてきているようです。

そもそも、陽性、陰性により治療方針が変わるなら必要ですが、持病が無い若者で微熱や軽い風邪症状だけであれば、対症療法しかしませんので、治療上は、陽性か陰性を特定する必要は必ずしもなと思います。

なので、わざわざ数が限られている発熱外来に受診して、そろそろ在庫が危ういPCR検査などをして確定する必要はないのかもしれません。

そこで代案に、市販の抗原検査で自分で確認して、保健所などに報告するという方法を提案していると新聞記事にありました。はたして、それはいいのかな?高原検査の特性上もありますが、鼻腔検査は検体の取り方によってもだいぶ精度が異なります。陽性だった場合は、問答無用でよいですが、陰性だった時の陰性がどこまで信用できるのか?

自主抗原検査で陰性だったから、大腕で振って、マスクをしないで、三密の会合やライブなどに行く、飲み歩く、なんて行動をとる人が出ないとも限りません。それで結局、感染拡大してしまうリスクも考慮できます。

要は、コロナ感染を広げなければいいというならば、発熱・風邪症状などの症状が改善後、何日までは自宅待機もしくはテレワークにする、という基準を設ければ、そもそも抗原検査すら必要ないのでは?と思います。陰性所見があいまいな自主抗原検査をするくらいなら、すべて陽性かも?と考えて、休養・待機してもらうというのもあり、なのでは?そもそも、症状があって体調が万全ではないので、休むこと自体は本人の為にもなります。あとは、会社と経済面の問題をどうサポートするか、ということになるでしょうか?検査や病院にかかることによる医療費を削減することで、その分の経費を、そちらに回してサポートするのもありなのかもしれませんね。会社としても、クラスターが起こってしまったときの損害を考えれば、はやめに体調不良の方を一定期間、休養もしくはテレワークにする方が、結果的には、ダメージは少ないのではないでしょうか。

自覚症状による上記の作戦には、結局最後はモラルの問題が絡みます。発熱以外は本人訴えになるので、症状が無いのに詐病するというパターンもあれば、症状があるのに症状を隠ぺいして出勤したり、保育園に預けたり、学校に行かせたり行ったりするような人が多くなれば、この作戦は、十分な効果があげられないかもしれません。