2021年07月30日 こころ院長ブログ
衝撃的なニュースでしたね。アップの対象となるのは、介護職員全職員ではなく各部署のリーダー格、なのかな。末端の介護職の給与アップまでは、言及されていませんが、すごくいいことだと思います。SOMPOさん、先手を取りましたね。私も、開業から約3年、最初から言っていましたが、医療職は、人手がすべて。優秀な人材の取り合いになります。人手不足との戦いです。人手不足には、2種類あります。人数が足りない、ことと、有能な人材が足りないこと。手あたり次第紹介所から紹介してもらって、人数だけ入れて入りうような施設・病院では、サービスの質はれて劣悪になるのは必至です。有能な人材の割合は、そんなに高くありません。うまく見極めて、採用していく必要があります。有能な人材で、必要人数揃えられたなら、もはや無敵艦隊。何にもしなくても、サービスの質の高さから口コミで、利用者・患者さんは増えていくでしょう。
見落としがちなのは、人材は流出する者だということ。外から招き入れることばかり考えて、足者がおぼつかないと、せっかく手に入れた優秀な人材が、どんどん手から零れ落ちてしまいます。それを防ぐのが、働き方改革。休みが取れる、取りやすいこと、給与がものすごく高くなくてもいいけど満足が行く程度はあること、仲間がいること、上司・社長が愛されている・尊敬されていること、会社の理念が良く・確かに実行されている・実行されようとしていること、労働環境がいいこと、やりたいことをやれているという実感が得られていること、時々昇給すること、仕事がいっぱいあること、感染症対策が施されていること、福利厚生がちゃんとあること・・・などなど挙げればきりがない。
当初から、当クリニックも訪問介護サービスに介入していくことは想定していました。その時の、介護士の確保の問題は、常に考えていました。スタッフ自体は、実は、いっぱいいますが、その実、知識や経験、人柄などを考慮すると、十分な数とは言えません。また、高齢者施設の乱立により、働き口もかなり多くなっており、条件のつり上げ合戦になりかねない状況にもあります。利益ベースを維持できないのなら、介入は難しくなります。SOMPOさんのような大手には、給与を上げるだけの収益を上げる力がありますが、個人経営のケアハウスやグループホーム、ディサービスなどは、介護報酬も少ないため、満床ベースでもいつもかっつかつです。そこで、好条件を出されてしまうと、貴重スタッフが、大手に流れて行ってしまい、人手不足で経営困難になり、動産に陥ることでしょう。資本主義の摂理でもありますが、今後は、他社も追随していくなら、介護サービスは、大手数社の独占市場になってしまいそうですね。私としては、個人経営のこじんまりしたディサービスは、アットホームで、結構、サービスが良かったりして、いいイメージがあったりするので、そうならないことを願います。