会社を興すという事

2021年03月09日 こころ院長ブログ

会社を興すときには、理想が必要。こういう会社にしたい、このような環境を整え待遇したい、このような素晴らしいサービスを提供したい・・・、ビジョンが必要。超短期的、短期的、中期的、長期的ビジョンが必要。そのビジョンに向けて、足元から天まで、つながるように布石を置いていく。積み上げていく。最終的な目標は、素晴らしいものである必要がある。しかし、そこに到達するまでは、目標とはかけ離れた苦しい状況が存在することは否めない。クリニックもそうでした。みんなが働きやすい、いつまでも働きたいと、楽しく働ける環境をと立ち上げたものの、資金が潤沢にあるわけでもない貧乏クリニック、従業員数も比較的多めに入れてはいましたが、それでも足りない。在宅医療は365日24時間フル活動。それに対して、正職員の医師は自分だけ、看護師は1名。実際、それを考えたら、全然足りない。医師一人ですべての待機をする。かといって、人手が必要なときは、一人の看護師を呼ばざるを得ない。常に半分待機?のような状態。振り返ってみたら、大変な時期でした。それでも、ビジョンをもってやっていたので、楽しかった。苦しかった。だから、今がある。今もまだビジョンの途中なので、苦しいこともいっぱいありますが。でも、何かを立ち上げるときって、そんなもんです。だいたい、お金と人手と時間が足りない時期がある。国の事業じゃないから、最初から必要な分必要なだけ、お金とスタッフと道具と建物と用意してくれて、満を持して開業、とはならない。理想的な環境づくりにはどうしてもマンパワーが必要となります。でも、最初からそのマンパワーをそろえたとしたら、人件費だけでどれだけの開業資金が必要になることか。利用者さんが、開業と同時に一気に増えるわけでもなく、当面、数か月は赤字経営となる覚悟が必要です。そこまでの準備金が用意できているのかどうか。できていないなら、使えないなら、最初は、ごり押しで踏ん張るしかない、瞬間があるという事です。永遠にではありません。少人数でも赤字をなくせれば、そこから会社の存続は、容易になります。あとは、余力とスタッフの労務環境を見比べながら、はやめに人材投資をして、理想のマンパワー迄、早め早めに持って行ってあげることです。そこまでの赤字分を早く回収したい、と思うのが経営者の常ですが、赤字回収は二の次で、まず、労務環境をベストな状態にする方を優先します。そこまでできれば、あとはただひたすらに赤字分の回収から黒字転化に安定的に持っていけるはずです。早まって環境調整より資金回収にはしると、労務環境の悪さから、スタッフの離反が起こり、結局、いつまでたってもじり貧のマンパワーでの運営になり、結果、なかなか黒字にならない、ということになりかねません。<br/> また、ビジョンの実現には、具体的な期限が必要です。漫然といいことを言っていても、結局実現されない。だらだらと続いてしまう。ああいう風にしたい、こういうことをしたい、だとしたら、いつまでに?それを決めたときに、いつまでに○○したい、ということは、いつまでに△△をしておかなければならないね、ということは、××しておかないとだめじゃない?・・・・と、やるべきこと、やるべき期間が次々と具体的になります。具体性が欠けるビジョン・プランは、容易に実現しません。キングダムの信は、下僕の身で”天下の大将軍になる”という突拍子もないビジョンを描きました。でも、単なる絵空事ではなく、そのためには、まず、秦の兵隊になって武功を上げまくること、そのためにはまず、漂と剣の腕をとことんまで鍛えること、と長期的・中期的・短期的ビジョンが明確でした。皆さんも、日々の生活や仕事に際して、ビジョンを意識することで、経営の改善、仕事の効率のアップや成果のアップ、モチベーションが変わるかもしれませんよ。