けがや病気は、予防することが医療費削減の近道

2021年02月19日 こころ院長ブログ

けがや病気は、予防できれば一番の国の医療費削減の近道となるはずです。たとえば、転んでしまって大腿骨頸部骨折していしまった場合、救急搬送されて、手術となります。その際、人工骨頭置換術 約20万円+全身麻酔その他、周術期入院管理費+回復期リハビリテーション(入院費・雑費・リハビリテーション 1日約35000円前後×60日=210万円前後)で300万円前後の医療費がかかりそうですね。ざっきり計算で、数字は、不正確ですが、だいたいです。いっぱいかかりそうだな、という事です。手術後のADLは、おそらく術前より低下することが予想されるので、その後の介護サービスの負担額も増えることになりそうです。これをいかに抑えるかで、国の医療費削減ができそうですよね。そもそも、骨折したら痛いし、しないに越したことはない。ちなみに、訪問リハビリテーションは、週1回 40分で6000円くらい。ひと月で24000円くらい。これで骨折しないとなれば、同額の医療費まで、ざっくり125か月、10年5か月かかります。多少大げさな話ですが、そういったこともあり、当クリニックでは、訪問看護、訪問リハビリテーションをお勧めしています。時に、まだ必要ないんじゃない?とご家族やご本人、ケアマネージャーさんなどから、言われますが、今ある一目瞭然の症状を改善するためだけに進めているわけではありません。上記のような、将来の起こりそうな肺炎、骨折、褥瘡、認知症、その他の疾病が起きにくいように、リスクが高い方にお勧めしているわけです。もちろん、選択は自由です。お酒やたばこを浴びるほど飲んで、太く短く生きるんだ、という考え方も選択です。ただ、多くの患者さんを診てきて、こうなる可能性がかなりあるな、と推定される方に、それを回避または先送りできそうな手段があるのに、アナウンス、お勧めしないわけにはいきません。なので、お勧めされても、うるさいなぁ、なんて、あんまり思わないでくださいね。病院に行ったら、やせたほうがいいよ、お酒やたばこは控えたほうがいいよ、適度に運動したほうがいいよ、食生活を改善しなさいよ、衛生的にしなさいよ、スマホの見過ぎに注意しなさいよ・・・・、色々なことを注意されたり、アドバイスされたりしますよね。医療費の削減は、とっても大事。長い目で見て、膨れ上がる医療費は、”国の病”のようなものです。必要な医療費は、しっかりかけて、削減できるところは削減する努力を、国全体でしていく必要があるのだと思います。一つ一つの小さな積み重ねが大事です。個の削減できた医療費の予算を、環境や子供たちの予算に回せたら、もっと住みやすい国になるんじゃないかな?、国民の生活がもっと豊かになるんじゃないかなと、考えたりするわけです。