2021年01月28日 こころ院長ブログ
当クリニックでは、訪問リハビリテーションを、介護サービスの一環というよりは、治療方針の一部として、必要だと思われる方にお勧めしています。
薬や処置と合わせて、リハビリテーションを行うことで、治療効果がより高まると考えていたり、今後、状況が悪化する可能性が想定されるため、それを可能な限り予防したり先送りにしたりして、より良い在宅生活が長く送られるようにと、訪問リハビリの介入を適宜すすめています。
自主訓練が安全に十分にできていたり、どうしてもしたくないよ、という方には勧めていません。リハビリテーションは、医療の中でもちょっと特殊な分野で、医療関係・介護関係の従事者でも、あまり正確な理解や区別ができていないのが現状です。
訪問リハビリを上手に使うことで、入院費・医療費などの大幅な削減ができると考えていますが、政治的には介護予防にかかるリハビリの縮小を考えているようです。介護予防こそ、もっとも少ない医療費で将来の医療費を大幅に削減できると思われます。
ただ、医療・介護の従事者もビジネスライクな事業者も多々おり、無意味なリハビリをノルマのためにだらだらと行っているところも多く、そういった部分では無駄な医療費と考えられても仕方がないのかもしれません。施設訪問診療の締め付けや回復期リハビリテーションの入院期間の短縮や成果による縛りなどもそういった面で、結局、一部の事業所や病院の素行の問題で、一生懸命患者さん、利用者さんのために尽くしている事業所や病院が、締め付けを受け、ひいては、患者さん、利用者さんが必要なサービスを十分に受けられない、という被害をうけることになっています。
脱線しましたが、当クリニックは、基本的に必要な方には訪問リハビリテーションを積極的にお勧めしています。少しでも良くなること、悪くしない事、できるかもしれないことをあきらめない事、治療の効果に上乗せするためにも必要であること、そのために、一部の介護サービスを介護点数の振り分けのために減らしたりしなければならないこともありますが、そういった調整などに、ケアマネージャーさんそのたの関係者さんにもご理解とご協力をいただきたく存じます。病気やけがは、良い治療よりも、まず、少しでも起こらないようにすることの方が、吉であると考えます。