2020年12月23日 こころ院長ブログ
在宅介護、在宅生活において、必要不可欠なのが訪問看護師さん。
クリニックから出るみなし訪問看護とステーションから出る訪問看護(クリニックが経営するステーションもあります)がありますが、そこらへんはあまり関係ありません。通常、病院では、外来、病棟看護師がいますが、概ね、整形外科・消化器科・内科・精神科などの分野が決まっています。
ですが、訪問看護では、基本的にはすべての科を担当しなければなりません。また、細かく言うと、精神科訪問看護、介護訪問看護、医療訪問看護などの分野が存在します。また、得意不得意などもあります。ステーション全体での特徴もあり、精神科訪問看護オンリーの事業所からの訪問看護では、精神科以外の相談は乗ってくれないことがあります。また、介護ベースの訪問看護では、込み入った医療看護が得意ではないため、病状がある程度のところで看取りだけはできますが、治療するならこれ以上は在宅では看護できないので入院してください、といわれることもあります。
逆に医療を得意とする訪問看護では、一般的な介護的な看護が余り上手ではないことがあります。理想を言えば、すべての分野を平均的な能力を備えており、その中で、どれかが特に得意です、という看護師さんがいっぱい所属している訪問看護ステーションがいいと思います。また、病状や環境に応じて、看護ステーションもセカンドオピニオンをする、というのも選択肢の一つとして持っておく必要があります。また、オンコール対応についても、事業所によりサービスの質は大きく異なります。コールした際に、すぐ様子を見てくださいといわれるのか、状況を説明した後、気軽に実際に駆けつけてくれるのか。待機をカバーしているエリアが広いのか狭いのかで、連絡してから、駆け付けてくれるまでの時間もだいぶ違います。待機する看護師の人数を減らすために広域待機をしている場合がるため、自分の依頼している看護師さんがオンコールの際にどれくらいの時間で来てくれるのかを確認しておいた方がいいでしょう。いつ来るのか、待っている時間は、大量が悪いときは特に長く感じますから。また、看護師一人当たりの1日担当利用者数も大きく異なり、一人で一杯抱えていれば、その分、看護師が疲弊するので、サービスの質が低下したり、雑になる可能性やオンコールでの対応待ち時間に大きく影響します。
看護師のもち利用者数は、事業所の売上や経営に直結するため、難しい問題でもあります。ただ、自分が利用するなら、疲れ切った、不平不満がありそうな看護師さんより、元気いっぱいの明るい看護師さんに看護してほしいですよね。あとは、訪問診療や外来診療から指示を出してくれている主治医とどれほど密接に関係性を作り、情報交換や提案をしてくれる看護ステーションなのかが重要です。一般の方が思っている以上に医師とその他の医療職種のあいだの距離は、隔たれていることが多く、忖度?なのか、言いづらいのか、利用者さんの利益になることでも積極的に提案などしてくれず、指示の通りにしか動いてくれない事業所もあります。よりよい在宅看護を受けるには、主治医との良好な関係性は必須です。
当クリニックが開設しようとしている訪問看護ステーションは、認知症や安定した精神疾患などの精神科医師が積極的に介入しなくてもよい状態の方や重度の身体障碍などがありまた病状が落ち着かない要素もあり、訪問看護だけでは対応しきれないような医療・看護が必要な介護や在宅で治療を受けたい医療看護が必要な方のニーズにこたえられるような理想的なステーションです。そのため、訪問看護のエリアを訪問診療と同様に一定範囲に狭めて受け入れていこうと考えています。また、看護師が元気いっぱいで働けるような労働条件と十分な質の看護を提供できるマインドとスキルを持っているまたは今後持っていける看護師を採用しています、いきます。
クリニック経営のステーションですから、主治医が当クリニックであることが多くなると思われます。なので、主治医との関係性は特に密接になります。それでも、利用者さんのためなら、主治医を当クリニックから別なクリニックにセカンドオピニオンをすすめることがあるくらいの関係性を保ちたいですね。在宅医療サービスを考えるときに、法人の利益をなるべく持ち込まない姿勢が大事です。いきなり100点満点は叩き出せなくても、100点に向けて日々努力していく姿勢を持っていきたいと思います。もちろん、自社のステーションだけでは、患者さんは対応しきれないので、引き続き、他法人の事業所さんとの関係も続けていきますので、よろしくお願いいたします。