地域医療連携に必要なもの

2020年07月09日 こころ院長ブログ

地域医療連携に必要なものとは何か。制度的なもの、決まりのようなもの、定期的な会合、情報交換、連絡、啓もう、補助金、加算、・・・・いろんな観点から考えると、色々必要なものがありそう。でも、本当に必要なのは ”こころ” だと思います。一人の患者さん・利用者さんに対して、病院・事業所・関係者が、その人にとって最も良いサービス・状況とは何か、誠心誠意考えること。在宅に居たいという思いが強ければ、可能な限り支えたい、そのために必要なリハビリをし、看護をし、介護をする。本人または介護者・家族が、しんどい状況と判断したら、在宅に固執せずに入院や入所を提案してみる。受け入れ側も、すぐにでも入院・入所したほうが良い状況と判断したら、できるだけ早く受け入れる。入院・入所されていても、在宅に帰りたい意思があり、帰れる可能性があるなら、ベッドの稼働率などをかんがえず、そのプランを速やかに立てて、1日でも多く家で過ごせるようにするなどなど。個々の関係者が、その人にとって、一番いいなと思う場所、サービス、状況は、少しずつ異なるかもしれないが、そこを話し合い、同じ目標に向かってサービスを組み立てて提供するようになれば、制度や決まりはなくても、地域の中で最適な環境で過ごさせてあげられるのではないでしょうか。医療介護もビジネスですから、理想論ではあります。絵に描いた餅、かもしれません。どこかで、だれかが、大変なのは嫌だから、不安だから、都合が悪いから、儲からないから、ノルマがあるから、枠をうめたいから、儲けたいから、仕事がきついから、面倒くさいから・・・、ある種、個人的な理由でサービスプランに介入すると、本当の意味での患者さん・利用者さん主体の地域連携は困難になるような気がします。

当クリニックでは、セカンドオピニオンで受けることも、依頼することもあります。リハビリを積極的に勧めますが、無理強いはしません、本人の希望で、短期集中で介入終了することもあります。在宅に無理が生じたら、希望があれば、入院先・入所先の手配も積極的に行います。急な在宅の退院も、可能な限り当日往診しています。在宅介護のハードルが高い患者さんでも、サービスを組み立てて、可能な限り在宅生活の希望をかなえてあげられるように尽力しています。同じこころを持った地域連携をしてくれる事業所・病院・クリニックと今後も連携構築していきたいと思います。