在宅医療、地域医療の苦悩

2020年04月15日 こころ院長ブログ

取り上げられることもないので、知られていませんが、コロナウィルスの感染は、在宅医療・地域医療を担う我々小さいクリニックにとって、かなりの悩みの種となっています。

最前線の病院は、もちろん院内感染その他の脅威にさらされていますが、我々も戦っています。保健所や病院で診てもらえなかった方、大きな病院や遠くには行きたくない方、他、コロナの可能性がある発熱・呼吸器症状の患者さんは、クリニックにも日々来ます。クリニックも最前線の一角です。常にコロナ発覚のリスクがあります。病院や外来クリニックは、最悪休院を余儀なくなり、入院患者さんはそのまま、外来は閉めます。その場合、これから外来にかかる予定だった患者さんたちは、別の病院にかかることになります。

在宅・地域医療を担う診療所は、やや状況が異なります。地域医療は、徒歩圏内でしか通えない高齢者もいっぱいいます。かわりにほかの医療機関にに行くことが困難な場合があります。また、訪問診療は、各クリニックいっぱいいっぱいで回っているので、急にかかえている百数十人の患者さんをどこかが肩代わりすることは困難で、治療継続自体が困難になります。休院になってしまったら、代わりなどいないのです。

救急で頑張られている医療関係者さんに感謝するとともに、我々在宅医療を担っている診療所レベルでも、大きなリスクと責任を抱えながら、ギリギリのところで、発熱患者さんの対応をしていることをご理解いただき、ご協力を頂けたら嬉しく思います。