訪問リハビリと通所リハビリ(デイケア)、何が違うの?

2022年08月19日 訪問リハビリテーションこころ

「リハビリ ⇒ 全て同じ」と思っていませんか?

このように考える利用者さんやケアマネジャー、多職種の方々、実は結構いらっしゃいます。

はじめに申し上げますと、全く異なるサービスと解釈してもらって良いと考えます。

以下は私見ですが、ざっくりとお伝えします(異なっていればご容赦ください)。

 

訪問リハビリ:運動の質を上げる、動きのコツ習得、ご家族への介護指導に適しています。

個別リハビリを大抵60分、少ない方でも40分確保でき、時間をかけて行えます。

困っている動作を自宅で練習でき、リハビリしたことが生活に汎化されやすいのがメリットです。

個別リハビリの時間を長くとれるため、効率的に動作を行うために必要な動きのコツを習得でき、

毎回ご家族(介護者)と接するため、実際の環境で腰痛なく介護するための提案や、

転びやすい箇所に手すりの提案など環境調整をタイムリーに行えます。

大抵は多くても週2回しか行えず、筋トレマシンなど機械を使用できないため、運動量を多くとれないのがデメリットです。

 

通所リハビリ(1日のデイケア):運動の量を上げる、他者との交流に適しています。

個別リハビリの時間は多くても30分で、10分しかとれないところや、個別リハビリがなく集団体操のみという事業所もあります。スペースが広いところが多く、屋内歩行の距離が確保できるため、運動量を増やせるのがメリットです。入浴やレクレーション、囲碁や将棋、カラオケなど他者との交流や日中の余暇活動の提供、介護者(ご家族)が自由な時間ができるのもメリットですね。リハスタッフが家屋訪問することもありますが、ご自宅でリハビリする機会はなく、リハビリで練習したことが自宅生活に汎化できないこともあります。

 

短時間通所リハビリ(3時間前後のデイケア):運動の量を上げ、筋力増強に適しています。

個別リハビリの時間は多くても30分で、15分しかとれないという事業所も聞きます。エアロバイクや筋トレ機器などマシンが揃っており、運動量の確保や筋力増強につながりやすいのがメリットです。入浴サービスがない事業所が多いですが、通っている皆さんが頑張って運動している環境なので、「自分も頑張らなきゃ!」とモチベーションを高く運動する機会を持つことができます。リハスタッフが家屋訪問することもありますが、ご自宅でリハビリする機会はなく、リハビリで練習したことが自宅生活に汎化できないこともあります。

 

これだけ違いがあっても介護保険では「リハビリ」と一括りにされ、ケアプラン上で目的が異ならなければ訪問リハ・通所リハが一緒に介入できない(曜日が違っても)制度であるのが現状です。

自宅での困っている動作をなんとかしたい、運動量を上げたい、両方を希望する方もいるのに…

利用者さんに必要なリハビリテーションを提供できる世の中になれば良いなぁと考えております。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。