訪問リハビリは頑張るもの? ②介護者(ご家族)編

2022年06月24日 訪問リハビリテーションこころ

「前に、指導された夫の自主練習をやらなかったらリハビリの人に怒られました」

「先週リハビリで言われた自主練習やストレッチ、時間がなくてできませんでした。すみません。」

このように介護者の方から言われることがあり、違和感を覚えるとともに

私自身の伝え方が不十分であったと反省させられます。

 

訪問リハビリは週に12回しか訪問できず、自身で動ける方も寝たきりの方もリハビリ以外の時間に

自主練習したり、介護者の方がストレッチをすることは身体機能改善や拘縮予防に役立ちます。

 

ですが、介護者(ご家族)の方の生活の中でリハビリをする余裕はあるのでしょうか?

13食の調理・片づけ、洗濯、ゴミ出しや買い物、掃除など毎日の家事だけでも大変なのに、

要介護者が転倒しないよう、徘徊しないように見守りをしたり、寝たきりの方はオムツ交換や着替え、

食事介助や胃ろう、口腔ケアなど多くの介護を加えて行わなければなりません。

 

これらの家事・介護を全て終えた後に初めて「自主練習、ストレッチ」等リハビリを行える時間ができるわけです。
よかれと思った自主練習がご家族を苦しめていないか?

ご家族が自分の時間を割いて、誰からも褒められない家事・介護を精一杯頑張っていることを

訪問リハ職員が肝に銘じて、自主練習やストレッチを提案すべきか検討することが重要です。

 

「家事・介護を終え、余裕があったら行えるのがリハビリなので、時間がなければ行わなくても大丈夫ですよ」

筆者は必ず、自主練習をご家族に提案する際に上記の伝え方をします。

 

訪問リハビリ職員が利用者さん・ご家族の味方でいること、ご要望に沿って支援することは言葉で言うのは簡単ですが、

本当にご本人・ご家族の希望に沿って支援できているか?
常に自問自答する姿勢は何年経っても必要な視点と考えます。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。