施設の訪問診療においては、施設の職員や看護師が就いた方がいいと思う。

2023年11月06日 こころ院長ブログ

施設の訪問診療においては、施設の職員や看護師が就いた方がいいと思う。

これは、私見ですが、その方がいい。

これは、訪問診療サイドから一方的に楽だから、とかそういうことではない。

施設に入居されている方が、みんな自分のことを自分んでできるわけでもなく、

把握できるわけでもなく、伝えられるわけでもなく、記憶できるわけでもなく、

言いたいことが言えるわけでもなく、忘れないで伝えられるわけでもなく、

薬の管理ができているわけでもない。

訪問診療の数分の間に、体調を確認して、バイタルを測定して、診察や会話をして、

薬を確認して処方する、傷口などを見て処置する、などをスムースに的確

間違いなく行うには、普段見ているスタッフがいた方がいい。

ましてや、薬を自己管理されていない方や施設の事務所で預かっている方などの

処方において、何が必要で何が足りないのか、確実な数字が事前に報告されているならいざ知らず、

その情報なしには、適切な処方はできない。

また、後々から、あれもないこれもない、あれはいらない、などと言われても、

二度手間三度手間になってしまうし、処方箋の間違いのリスクもおきやすくなる。

そして、患者さんの状況や情報、訴えなど、本人が言い忘れたりして仕舞えば、実は、

こんなことがあってここも見てほしいなど、後で言われても困るし、後日になったら、

また往診の来なければならないし、医療費も無駄にかかる。

また、処方内容の変更や処置の変更、経過観察上の指示や注意点の変更なども

伝え忘れ、行き違いなどが起こりやすく、後でまとめて教えて欲しいなんてのも、

同じことを何度も何度も言うのは、はっきり言って無駄。

その場にいてくれれば、1回で済むし、2回3回いうと、場合によってはちょっとずつ、

内容が変化してしまう、足りなくなってしまうリスクもある。

傷の処置なら、こういう風にというお手本も見せられない。

医療機関と患者さんとの間での言動のやり取りも、後で伝える、患者さんから見聞きするのが、

実際のものと全然違う内容になることもよくある。

それを第3者として聞いておく必要があると思う。

診察が終わった後の大半を面倒見ているのは施設の職員です。その僅かな時間を省くことで、

残りの大半の時間を安心して面倒を見てあげることができるでしょうか?

診察の時に一緒についていたら、避けられた、対応できたであろうことが後々起こってしまい、

医療機関に連絡したら、だから、一緒にいたらよかったでしょう、って不快に思われないだろうか?

ましてやそれが、休日や深夜・早朝だったら、どうだろうか?

その時間にわざわざわかりきっていたことを電話で相談され、場合によっては往診や訪問を

しなければならなくなる相手の医師や看護婦の気持ちを考えたことがあるのだろうか?

患者さんや利用者さんの健康も預かっている施設として、職員として、その健康についての専門の情報が

手に入るその瞬間って、何をおいても一番重要な時間なんじゃないだろうか?

そこの時間と手間を省いて、患者さん、利用者さんの安全なケアや看護って、できるのかな?

その責任は、持てるのかな?

と言うのか私見です。

単純に、訪問診療の10−30分くらいの診察時間に付き添えない、というのは、施設側の

仕事内容やマンパワーの不足などの問題がほとんど。

はっきり言って、それって患者さんの診療などにおける質の担保に対して、全くどうでもいい

話。施設側の経営の内容の問題。

必要なサービスが提供できないようなマンパワーで運営をしていてはいけないと思う。

というか、その10ー30分の時間が取れないようなカツカツの状態だったら、施設で起こった

トラブルや緊急事態に対応することなんて、そもそもできない状態じゃないかな?

実際は、マンパワー不足ではなく、対応するのが面倒だ、減らせる仕事は減らしたい、

楽に仕事ができるようなシステムに変更したいという思惑が潜在していないだろうか?

医療介護サービスは、良くも悪くも診療報酬、介護報酬という決められたサービス提供料が

基本となっている。

だからこそ、人件費を確保するためにその値上げが必要だと常々話しています。しかし、

その反面、どんなサービスを提供しても、同額の報酬である、という事実も考える必要がある。

施設の訪問診療に、個人宅と同様に一生懸命、丁寧に、患者さんそれぞれのキャラクターなども

考慮した診療や処方を行っている当クリニックと、ただただ、定期的に訪問してDO処方して、

緊急時には往診ではなく、救急車で急性期病院に搬送させて、知らん顔、なんてクリニックや病院と

それでも同じサービス料金なんです。

手厚く介護使用が、適当に介護しようが、介護点数も同じなんです。

だからこそ、サービス報酬料の引き上げを要求しつつ、自身も心の鉢巻をギュッと締め直して、

同じ料金でも、できる限りの最大のサービスを提供するように日々努めなければならい、

そうする義務が医療介護従事者にはあると思います。

就職口がないから、しやすいから介護職に就く方もいるでしょう。どこも、人手不足だし。

でも、楽な仕事ではないし、離職率も高い。

どんな理由で医療介護従事者になってもいい、でも、なったからには、一医療介護従事者としての

責任とプライドを持って、患者さん、利用者さんに当たって欲しい。

自分たちの大変を解消することだけを優先しないで、それと患者さん、利用者さんのサービスの質に

与える影響とを天秤にかけて、できる限り患者さんを優先してあげてほしい。

そう思います。

自分の会社の職員にはこういったっことを手を抜かないことは最初から話しており、概ね実行して

くれています。

他社については、私には、ここで私見を言うくらいしか、ここの事例に対して、我々の意見を

主張を言うくらいしかできません。

矯正することもできません。

あくまでも私見であり、絶対の正義ではないからです。

我々の仕事としても、できる限りのことはしますが、他社の失態の尻拭いを、患者さんの健康や生命に

関わる緊急的なことについてはもちろん行いますが、意図的な、恒常的なものについては、

我々で肩代わりをするようなことはしません。

一度そういったことをすると、それが当たり前と考えられるようになり、そこからさらに、

色々な他社の仕事まで我々がすることになったという経験が数多くあったからです。

当法人のスタッフは、社長の想いを汲んでくれて、これって自分たちの仕事ではなく、他社の仕事で、

やるだけサービスなんじゃないの?と言うようなことでも、患者さんのためにと、

快く行ってくれています。ですが、それを当たり前のように思われては困ります。

あくまでも会社のため、社長のため、患者さんのためにとやってくれていることです。

他社の利益、都合のためにやっていることではない。

他社とは、患者さんとためにチームワークよく、協力して医療介護をおっこなうことは

大事ですが、どちらかが、どちらかに、おんぶに抱っこになってはいけない。

常に、お互い様、と思いながら、持ちつ持たれつ、の関係でないといけない。

それでないと、チームの関係にはなれない。

主従、隷属、ぶら下がり・・・・・の関係性になってしまうから。