損切ができるかどうか

2023年10月25日 こころ院長ブログ

会社を経営するうえで、事業内容の損切ができるかどうかということは大事。

せっかく作ったから、投資したのだから、辞めるなんて格好悪いから、

などなどの理由で、赤字なのにだらだらとやめられないで、結局、会社を

傾けたりする経営者がいる。

医療介護においては、通常のサービス業とは一線を画す部分もあるので、

必ずしも赤字だからすぐに撤退、閉店する、ということは現実的ではない。

それでも、損切は常に想定すべきことである。

私の場合、クリニックも事業所も少しずつ拡大している。

クリニックについては、ニーズに応じて、未来展望に応じて、どんどん拡大はしていますが、

常に、縮小、コンパクト化をすることも想定しています。

訪問リハビリテーションも、訪問看護ステーションも、人数の増加、規模の拡大はもとより、

サービス提供内容やその姿勢なども常に、見直し、上下に修正していますが、

ニーズや情勢に対応して、希望の拡大や縮小、一部のサービス提供の追加や終了、

一次業務の中止なども、選択肢として常に持っています。

拡大する方向については、人数や業務の問題さえクリアされれば、向かい風は少ない。

しかし、後退、撤退することについては、おそらく、かなりの向かい風が吹くでしょう。

だからこそ、どういう場合には、後者の手段を考慮するのかを、調子がいいときに

常に想定して、考えておく必要があるという事です。

いざその場面になっても、準備しておかないと、後退・撤退の選択肢が、うかびあがって

来ないことがあります。

結果として、後手に回ったり、手遅れになったりします。

調子がいいときに、そんな悪いときのことを考えるなんて、縁起でもない、などということも

あるかもしれませんが、震災などが起こってからでは遅いのです。

災いが起こるかもしれないから、その時のことを想定しておく、それを怠ってはいけない。

逆に、後退する覚悟がないのに、勝負に出て、拡大の一手を打ってはいけない。

その手を打った時の失敗した時のダメージについても当然、最初から考えておくべき。

それが、手を打つに値するくらいのダメージなのか、受けても回避できるダメージなのか、

そこまで考えておく必要があると思います。

結局は、いけいけどんどん、だけではだめ。

戦況は、その場その場で大きく変わる。

一時的にでも軍を引いて、体制を立て直し、情報を集め、状況を判断し、より有用な策を

取れるかどうか。戦と同じ。

猪突猛進では、玉砕してしまうことがあるだろう。

開業当初は、介護事業、訪問介護、入居施設、その他の構想も持っており、イケイケで

進めていく勢いが一時期ありましたが、結局のところ、今は、その方向は、一時撤退。

様子見の状態になっています。

ちょっと、現段階では構想上は、全くと言っていいほど勝算がない、と考えているから。

やりたいだけではにゃってはいけない。