認知症にリハビリテーション

2023年09月06日 こころ院長ブログ

在宅クリニック、訪問リハビリテーション事業所において、

認知症リハビリテーション、

つまり認知症患者さんに、認知症症状やそれにまつわる

生活の困難な状況に対して、積極的にリハビリテーションを

行い、QOLやADL、認知機能、高次脳機能などの改善や維持に

寄与できないかと積極的なアプローチをするリハビリテーションを

行なっているところは、それほど多くない。

当法人では、開設当初の5年前から、認知症に対する

リハビリテーションに重きを置いており、当法人の

リハビリテーションの特徴の一つとして掲げています。

ただ、ケアをして、服薬治療をして、後はなすがままに、

という認知症患者さんへの対応から、さらに一歩、

何か残りの人生を少しでもよくできないか、そういった

試みを続けています。

話せるから、歩けるから、ディサービスに行かせる、

ヘルパーさんに介護してもらう、施設に入所させる、

そういった介護で幸せに暮らせることもありますが、

もしかすると、今の家で、もう少し長く、楽しく、

いまままで通りの、もしくは今までと違った、今まで以上の

生活を継続することができるかもしれません。

認知症だからと諦めて、絶望しないで、少しでも

未来を見つめて、生活、介護をしみてるのも、

選択肢の一つとして持って欲しいなぁ、と思います。

在宅医療を担う医師の中で、リハビリテーションを

治療の選択肢として真剣に考えている医師がどれほど

いるだろうか?

もう少し、リハビリテーションをなんとなくやる、

体を動かすために、転倒予防に、寝たきりにしないために

やる程度の考えから、患者さん自身のニーズや評価から、

何が必要で、どんなことができるようになる可能性があるのか、

どういうことを目的にやるべきなのか、などを、しっかり

考えて、プランニング、指導、指示できるような医師が

増えていくといいなぁ、と感じます。

リハビリテーション医がいて、リハビリテーションを治療の

柱の一つと考えて在宅医療を行う当法人のような在宅クリニックは、

北海道では、かなり稀有な存在じゃないかなぁ、と我ながら

感じています。