リハビリを語らずして、地域医療は語れない

2022年11月07日 こころ院長ブログ

リハビリテーションは、慢性期、生活期、在宅・地域医療において、とても重要なツールであると考えます。

リハビリテーションを充実させなくて、地域医療、在宅医療は、本当の意味で、患者さんの為にならないとも考えます。

リハビリテーションは、あいまいで、エビデンスが少ない。

だから、意味が無い?

そこに、エビデンスはあるんか?

そこに、愛はあるんか?

エクスピリエンス、つまり経験、治療経験、改善した、という経験は、エビデンスレベルは低い。低いが、エビデンスである。

積み重ねれば、エビデンスレベルを上げることもできる。

しかし、症例は一期一会。

同じ病名でも、1つとして同じ症状はない。

だからこそ、エビデンスだけに頼らず、経験、スキル、知識、その他何でも総動員して、少しでも良くなるようにリハビリテーションを行う。

そこに、エビデンスをベースにするならば、枠にはまった、リスクを冒さない、最大限の結果を得られないであろうリハビリテーションしか行えないかもしれない。

過去のエビデンスだけをもとにしたら、過去以上の成果は求められないかもしれない。

だからこそ、この疾患で、この状態では、これ以上はよくならない。リハビリテーションは意味ないです、導入しません。

という冷たい感じを受ける指示が発生します。

これ以上良くならない?とはだれが決めたの?

そのエビデンスは正しいの?

その患者さんに100%あてはまるの?

今起きている症状は、確実に、原疾患によるものなの?

多くの症例では、原疾患による麻痺や機能障害がありますが、それに加えて、入院治療などによる廃用症候群が、合併しています。

なので、これ以上回復しないと、原疾患の主治医が判断しても、実は、改善の余地があることがあります。

そのわずかでも改善することで、家での生活が少しでも改善するかもしれない。

患者さん自身のメンタルが、上向きになるかもしれない。介護負担が一つでも減るかもしれない。

そこを、主治医の無知で、在宅診療医の無知で、ふいにしていないだろうか?

当クリニックは、おそらく、札幌で一番、北海道で一番リハビリテーションを重視している在宅医療・地域医療のクリニックであると自負しています。

特に訪問リハビリテーションを重視しています。

訪問リハビリの重要性、意義、効果、副効果などをたくさん経験して知っているからこそ、少しでも改善の光があれば、そこに訪問リハビリの光を照らしたい。

なにも、改善することがすべてではない。

どのような状況に陥っても、少しでも何か良い目標、明るい目標に向けて努力すること、手を差し伸べてもらえること、それが、病に伏した患者さんの心の闇に、一筋の光を差し込むことにならないだろうか?

後は弱っていくだけ、死を待つだけ、と言われたら、もう絶望しかないだろう。

そこに、少しでも何かできるように、改善できるように、楽になるように、努力する、力を注ぐ、死の為に、医師や看護師、療法士と協力して何かをすることで、少しでも希望が持てないだろうか、人の温かみを感じられないだろうか、。

訪問リハビリテーションの重要性、意義、効果などを、深く理解してくれる医師、ケアマネージャー、看護師、療法士、地域住民などが増えてくれると、いいなぁ、と思う日々である。