クリニック経営には、マンパワー問題が一番大変。在宅医療・地域医療は、マンパワーがすべて。

2022年08月26日 こころ院長ブログ

医院経営でもっとも変なことの一つが、人材の確保。

大手の会社のサテライトやフランチャイズなら、豊富な資金力で何とでもなる。

紹介斡旋業者から、いくらでも集められる。

しかし、個人商店では、そんな資金力はない。

基本的に紹介業者は使わない。

自助努力とハローワーク頼みのところがある。

そのため、紹介業者に依頼すれば、すぐに登録されているメンバーの中から、ピックアップして紹介、面接、採用ととんとん拍子だが、個人商店では、急にいっぱい応募があると思ったら、1年以上閑古鳥、なんてこともある。

ましてや、施設基準や人数だけ、とりあえず集まればいいって会社なら、何とかなるが、理想を追い求めて、こういったサービスを展開したいという、妥協できない運営方針がある場合、その社風に合うかどうか、能力が十分かどうか(最初から能力が高いという事ではなく、就業後に身に付けていけるかどうか)、会社のメンバーとの和を保てるかどうか、サービス業であるためいわゆる一般常識や礼節を持っているかどうか、地域医療に興味があるのかどうか、など、数少ない応募してくれた方から、選出しなければならず、なかなか、応募者と募集者の間ですんなり合意に至らないこともある。

地域医療は、マンパワーがすべてと言っても過言ではない。

マンパワーが無い ⇒ 過酷な労働環境・残業が多くなる ⇒ 疲弊する ⇒ 離職する ⇒ マンパワーが不足する ⇒ ∞ループ

労働環境が過酷 ⇒ 疲弊する ⇒ 勉強・スキルアップする時間も気力もない ⇒ いつまでも成長しない ⇒労働効率が低いまま、サービスの質が低いまま

マンパワーが不足・疲弊 ⇒ 仕事の依頼を受けることができない ⇒ 経営が悪化 ⇒ 資金が無い ⇒ 新しく雇えない

疲弊する ⇒ 手厚い対応ができない・心の余裕がなく優しくなれない ⇒ 評判が悪くなる ⇒ 経営が悪化する

経営が悪化、スタッフが疲弊 ⇒ 在宅は大変そうだと思われる ⇒ 在宅に参入してくれる人が減ってしまう ⇒ マンパワー不足

こんなようなことが慢性的に起こっているのが在宅の分野。

そこで変えるべきは、マンパワーへの先行投資。

お金が無い、お金がかかるのは、覚悟して、先行投資する。それが、BOSS猫のモットー。お金が無い開業時から、ずっとそう。

一期一会。募集していて、ある時、応募してくれて、すごくいいなと思う人だったりする。そういったときに限って、今はマンパワーが足りていたり、資金が不足していたり。残念だけど、またの機会にとはしない。

欲する人材が、2度あらわれることはない。

人材登用に自己の都合は関係ない。

必要な、欲する人材を見つけたなら、まず確保する。そこに投資する。

人材をそろえて、マンパワーに合わせて、事業を拡大していく。なので、万年、貧困経営です。なかなか、利益がたまらない。それでも、失いたくない、手に入れたい人材は手元に置く。先に置く。

最初は、人件費に対して、遊んでいる人材が幾人も存在してしまう。それでも、2~3か月もすれば、その人がいなくては回らないくらいの仕事量になっている。

何時しか、それでもマンパワー不足を感じるようになる。

そうやって、のちのち、先行投資した分を回収していく。

改修した分でまた先行投資してしまうので、結局、蓄財はできていない、とほほ。

それでも、いつか、理想のマンパワーが集まったとき、それ以降は、蓄財の時。

蓄財した資金で、何をするか。

もちろん、一つは設備投資。

一つは、さらなる事業展開?

忘れては絶対けないのは、抱えている人材に対する還元。もし安定的に利益が上がってくるなら、それは、前者2項目に使うべきものではあるが、その利益の量が、多いのであれば、それは、稼ぎ出している人件費に回すべき。

一つは、給与の増額。みんなで富を分配すること。

もう一つは、さらに余裕があるマンパワーを確保して、労働負担を減らすことで、さらなる労働環境の改善をし、間接的に従業員のQOLをあげること。

最終的には、社屋の立て直しで借りている借金さえ返していしまえば、新事業や人件費・経費などを差っ引いて、プラスマイナスゼロでも十分、せめて、不測の事態にそなえて、少し蓄財する程度でいいのではないだろうか。

社長が、資産を何億も何十億も抱えている会社がいっぱいあるが、社長一人で儲かって、どうするのだろうか。

それでは、独裁国家とあんまりい変わりがないのでは?上の少数の人が富を独占するから、貧富の差がひどくなる。上があるのは、そこを目指すのに夢があるからよい。上の上限が、雲の上程見えなくなるほどのセレブである必要はない。石油王みたいな暮らしをする人がいなくなって、その日の食べ物が無くて困っている人がいなくなって、もう少し貧富の差の幅が、ぎゅっと小さくなるような、そんな社会の方が住み心地がいいのでは?

新資本主義は、もちろん社長は、多大なリスクと責任・業務を一人で抱えて会社を立ち上げ、維持しているので、一番儲かったって、誰も批判しないが、その節度は守った方がいい。そういう世の中なんじゃないかな。プライベートジェットだの、高級外車だの、クルーザーだの、宇宙旅行だの、そんなん、する必要はない。会社の経費で、節税のために、宣伝のためにそういったことをするのかもしれないが、節税しないで、税金払ってよ。社会貢献だっていって、公園作ったり、なんかよさそうなことしたりするけど、それもいいけど、その分税金払ってよ。って思ったりします。

消費税のよう、平等にとられる税金は大事。

だけど、全体的には、大企業や大金持ちが脱税、節税しないで払ってくれることで、とんでもない額の税収があると思う。

ちゃんと抜け道や節税ができないように、しっかりとした法律を作り直すべき。そのうえで、税率を軽減してみたりすればいいと思う。

政治家が、大企業や有力者の顔色をうかがっていてはいけない。国の為、国民の為にいいと思われることは、嫌われても、進んで提案していってほしい。