採血検査は、そんなに儲からないですよ

2021年09月22日 こころ院長ブログ

採血検査をすると、医療費が増えます。自己負担額も増えてしまいます。それでも、ある一定の間隔で、一定の内容の内容の採血をしないと、診察のみでは見逃してしまう疾患や病態変化、薬剤副作用、治療効果判定などがあります。当クリニックでの採血検査は、基本的には、可能な限り、実施数を少なくすることにしています。状態が落ち着いていれば、間隔をできるだけ開けて、項目もできる限り絞って実施しています。糖尿病などのある方は、クリニックによっては受診のたびに採血するところもあります。頻回採血が良いか悪いかは、ケースバイケースです。どちらが、その患者さんに吉と出るかは、わかりません。当クリニックでは、できる限り無駄な医療費を削減して、ひいては国の財政負担、個人の自己負担額を減らしたいと考えています。検査の頻度、項目を減らせば、その分、診療の精度、質が落ちることは避けられません。それでも、ニーズに応じて、頻度を上げたり下げたりの柔軟な対応もしています。要は、検査頻度・項目の増減による、利益と不利益の増減をご理解いただけていれば、納得いただければ、良いと思います。ちなみに、画像検査は、今はデジタルフィルムなので、コストは機材の投資費用くらいしかないので、よく言うCTやMRIは、撮ればとるだけ儲かる、みたいなところはないわけではないですが、採血検査などは、実際、値段の大部分は、検査の試薬やスピッツなどの材料費や検査センター委託費などにかかり、クリニックや病院は、そんなに儲かるわけではありませんよ。一部には、売り上げのためにせっせと採血検査を頻回に行う病院やクリニックもあるかもしれませんが、ほとんどの場合は、診断・診療のために、情報が欲しいな、と思って採血していると思います。無駄に医療費をかけて、自己負担を強いて、検査をしているわけではない、ということだけ、ご理解いただけたら、うれしく思います。定期採血での、”特に前回と変わりがない”、という陰性所見は、それはそれで、とても大事な情報となります。どのタイミングで崩れたのか、変わったのか、定点的な検査情報になるので、もちろん、点の数が多いほど、正確な情報になりますが、その点を必要最小限で、最大限の情報を引き出すことが、検査実施計画の肝になると思います。