コロナワクチンの往診料の解釈は?

2021年05月27日 こころ院長ブログ

コロナワクチンを外来や大規模接種会場に打ちに行く場合は、自分で徒歩、車などで通うか、タクシー・介護タクシー、場合によってはヘルパー付き添いの料金を払って、その後は公費で受けられます。ワクチン接種自体はZERO円なわけですが、この移動費や付き添い費が、2回往復分、高齢者に負担がかかります。在宅診療をしている場合、これらの負担を強いて、外来接種に来てもらうという場合もあるでしょう。当クリニックの場合は、すべて、訪問診療の際に打つ、もしくはワクチン往診として往診して、接種しています。訪問診療の際は、通常診察とともに行うので、そのまま接種となります。され、この往診の取り扱いが、おそらく今までにないパターンなので、その解釈が難しい。
 法人として、人数が100人以上なので、それなりの診療報酬となります。実際に、なかった業務に対して、医師と看護師のマンパワーを割き、各家庭・施設へ交通費をかけて行き、接種前の状態を診察し、15分副反応の確認をするため滞在し、もしくは看護師を一人滞在させて、次の家に回る、というかなりの時間とコストをかけて往診を実際にしているわけです。実際に往診しているわけで、なにかずるっこをしているわけではありません。ここで解釈の問題です。そもそも、ワクチン接種については、自費診療であり、往診なんてものはレセプト解釈上、考えるまでもなく算定不可!というもの。まぁ、こうなるんじゃないかな、とはうすうす思っています。それでも、通院困難だから訪問診療を受けているのに、算定できないから、年金使って介護タクシーで打ちに来い、できなければ打てませんね、なんてことは言いたくない。概ね、こういった解釈で来るかなとは思いますが、こういう緊急事態で、ただでさえ打ち手が少ないと歯科医師導入にも踏み切る中で、逆に交通費や人件費を余計にかけて善意で往診ワクチン接種を行う医療従事者に、その辺は、クリニック持ちでサービスでやっといて、っていうのは、ひどいな、とは思います。
 ほかの解釈は、実際に往診しているのだから、算定は可能、というもの。個人的には、こっちのほうが、実際的。でも、おそらくは、そうはならない・・・。だって、応需があって、診察にいっているのだから。あとは、算定可能なら、この往診料が、自費なのか、医療保険の枠組みなのか、公費なのか。正直、自費はない。それはひどすぎる。だとしたら保険なのか、公費なのか。ここで、今回のコロナウィルスの特殊性を考慮します。ワクチン接種は国策で、いち早く、高リスクの方に打つ、その協力の要請が医師会を通して、医師たちに来ています。つまり、国がやってくれと言っている施策に応じて、クリニックが行っているもの。そう考えると、往診料を算定できるとしたら、公費にするのがベストだな、と思います。そうなれば、在宅療養されている訪問診療を受けている患者さんが、在宅でワクチンを受けられるチャンスが広がっていくのではないでしょうか。やはり、経費持ち出し、というのは、全国的にみると、マイナスなイメージになると思います。もし、通常の往診料では算定が高すぎるなら、暫定的に新型コロナワクチン接種往診算定料を、さかのぼり算定可で、設定すればいいのではないかなと思います。

 現在、算定の会社については、社保・国保、保険医などなど、関係各所に、お問い合わせし、回答を待っているところです。ダメならダメで、当クリニックはグレーな算定は一切しないので、泣く泣くフルサービスとして、地域医療のために行くしかないのですが。