良くない経営者の癖

2021年03月19日 こころ院長ブログ

経営者としては、気持ちはわからなくもないですが、それが職場環境、労働環境を悪くするのよ、という癖が、多くの経営者、特に医療・介護関係の業種にあるように思えます。それは、欲です。???って感じだと思いますが、例えば、パートや非常勤のスタッフを雇います。今までは、一人当たり1日に6人の利用者さんを担当し、仮に給与が1万円で、売り上げが6万円だったとします。人件費以外に経費が2万かかったとしてもプラス3万円の利益が会社に入りますね。でも、1日6人は、業務的にきついって、残業ありきの業務になってるって、人を増やしてください、とスタッフからの訴えが続いています。よし分かった、募集するぞ。スタッフが2人増えました。すると、利用ささんを振り分けて、スタッフ一人当たりの1日の利用者さんの担当を5人に減らせますが、新しいスタッフは、振り分けられた利用者さんを持つことで、実質的に新規の利用者さんを1日あたり3人しか持てないことになりました。新しいスタッフの給与が1万円、経費で2万円、新規の受け入れで売り上げ3万円。人を増やしたのに、売り上げは、最大でもプラスマイナスZERO?実は、これでいいんです。実質、利益は増えることはありませんが、もともと利益はあったので、赤字ではありません。が、1日の担当利用者さんが一人減るだけで、多くのスタッフの労働環境、ストレスが軽減されます。これにより働き方改革が一歩前進します。しかし、ほとんどの経営者の悪い癖。欲がでます。今まで、6人みれていたんだから、新しい人も6人みれるんじゃないか?とすると、二人増えて、一人当たり3万円の売り上げがプラスで、1日6万円利益が増えるぞ・・・、これは儲かるな・・・ぐへへへへ、と。しかし、過酷な労働条件を課すことで、限界が来たスタッフは徐々に辞めていきます、それにより、マンパワー不足で、今まで通りのサービス提供ができなくなり、また新たに人を募集します。しかし、もともといたスタッフと同等の仕事ができるようになるには、新人には時間がかかります。なので、計算通りには売り上げは上がりません。サービスの質も劣化します。せっかく増やしたスタッフを、目先の利益に目がくらんで、本来の労働環境改善に上手に利用せずに、短期的な利益を上げることにとらわれてしまう”欲”、これを排斥できれば、きっと、スタッフからも働き方改革に熱心な経営者だと一目を置かれるようになるかもしれませんよ。ポイントは、人を増やせば、利益が増えると考えず、利益を維持しながら、労働条件を改善できると考えることです。