いつでも聞く準備をしています、でも無理には聞きません

2025年02月28日 訪問リハビリテーションこころ

これが訪問リハビリを行う上で大切なことと感じています。

リハビリの技術より重要かもしれませんね。

 

訪問リハビリを行う利用者さんは、ご病気やケガでうまく行えない行為があり、

健常者には想像もできないような悩みを抱えているケースが多いです。

その介護者の方も同様です。

その悩みを抱えたまま生活するため、心が休まる時間がない方もいらっしゃいます。

 

大きな悩みを抱えた時「人に話したら楽になった」という経験はありませんか?

聞き手の人が、ただ聞いてくれただけで、です。

 

ご病気やケガで身体をうまく動かせなかったり痛みがある方は、その人にしかわからない感覚があります。

「どうせ言っても理解されないから、信じてもらえないから」

「言ったら頭が変な人と思われそう」

こういった思いを抱くため、他者に話せずふさぎこむ人を何人も見てきました。

 

見た目は健常者と変わらない利用者さんでも、手(足)が麻痺で動かなかったり、

痛みやしびれがあるため、実際の大きさより手(足)を大きく感じる方もいらっしゃいます。

療法士から

「自分が思うタイミングで手(足)が動かない感じがしますか?」

「右手は左手よりも大きく(腫れぼったく)感じますか?」

「目を閉じると身体が消える部位はありますか?」

など、利用者さんが感じている世界を理解しようと「突拍子もない選択肢」を提供すると

「医療者がそんな質問をするなら、あり得ないことではないのではないか?」

という心理を引き出せる可能性があります。

人に話せず悩みを抱え続ける辛さがありながらも、今は人に話したくない、という心理もあると思います。

 

訪問リハビリを開始して5年経過し、初めて大きな悩みを話してくれた利用者さんもいらっしゃいます。

「もっと早く聞けばよかったのに」という声もあるかもしれませんが、

利用者さんが話したいタイミングで話してくれた、それまでに5年要した、それで良いのではと思います。

 

いつでも聞く準備をしています、でも無理には聞きません

 

この視点を持ち、利用者さんのご希望に沿って支援したいと考えております。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。