転倒の身体機能の低下以外の要因 ~何歳になっても身体イメージは若いまま?~

2022年09月30日 訪問リハビリテーションこころ

立ったまま足を動かさずに、どれだけ前方に遠くに手を伸ばせるか検査を行います。

転倒しやすい人は以下のうち、どの人でしょう?

①遠くまで手を伸ばせる人

②遠くまで手を伸ばせない人

③この距離まで手を伸ばせると「予測」した距離と、実際に手を伸ばした「結果」の距離に差がある人

 

答えは…

②、③です。

②は身体機能の低下による転倒の多さですね。筋力、バランス能力など様々な影響が懸念されます。

これは多くの研究がされており、普通に考えられることですよね。

③は意外でありませんでしたか?

実は③のように、「ここまで手を伸ばせそう」という「予測の距離」より実際に手を伸ばせた「結果の距離」が短い高齢者の転倒歴が多いと言われています。

これは日常生活で物を取ろうと手を伸ばした際に「思ったより遠くて届かなった」という転倒につながります。

 

何歳になっても、脳内の自身の身体イメージや運動イメージは20歳代のまま、という説もあります。

「若い頃の体の動かし方だとダメだね」中年の方がアキレス腱を切る左記の話を何件か聞いたことがあります。

例えば80歳の方が20代の自身の身体イメージで運動すると…うまくいかないと思いますよね。

 

自身が思っている「主観的な身体」と
他者から見ている「客観的な身体」の差が大きいと、転倒が増える要因となります。

 

「敷居をまたごうとしたら、思ったより足が上がらなくて引っかかった」

「階段を登ろうとしたら、思ったより足が上がらなくて引っかかった」

「バランスを崩した時に、足が出なくて転びそうになった」

これらは加齢による身体機能低下以外に、予測(主観)と結果(客観)の差が大きい影響かもしれません。

 

この差を埋め、効率的に動作を行えるよう動きのコツを習得する練習も訪問リハビリが得意なことです。

認知神経リハビリテーションの理論は上記の方々の行為を改善するリハビリを実施しており、

明日、明後日に『認知神経リハビリテーション学会 学術集会』がオンライン開催されます。

当事業所から1名演題発表、7名参加予定で、利用者さんの行為の改善に向け研鑽していきます。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。