大食いの美化はよくないのでは・・・?

2023年01月18日 こころ院長ブログ

激盛り、大食い、激辛、そんな番組やYOU TUBEなどが最近多い。

大食いが凄い、面白い、いっぱい食べて太らないなんていいなぁ、と言われている。

大食い=個性、ととるなら、個々の個性は大事に、という時代なので、それはそれとして、

ただ、世間が、大人が、メディアが、大食いはすごい、面白い、食べて太らないなんてすごくいいね、

と煽るのはいかがなものかと思う。

あくまで私見なので、大食いと言われる人たち個人を批判しているわけではない。

個人の感想です。

やはり、世界に目を向ければ、未だに、食糧難の国の方が多い。

毎日の食事ままならない人々がいっぱいいる。

だからといって、我々が、食事を我慢すればいいというものではない。が、節度というものがある。

一般的な食事、成人なら1日2000kcal前後位であろうか、+αの楽しみくらいで満足できないものか。

じゃぁ、余った食事はどうするのって?

そもそも、需要が無ければ、余るほど輸入しなければいい。輸出すればいい。

食べられない人もいる中で、一人が10人分以上も毎日のように食べることに、違和感を感じてしまう。

それを美化してしまう事にも違和感を感じる。悪とする必要もないが。善であるかと言えばそうでもない。

その原因の一つが、腸内細菌だとよく報道されている。いくつかの種類があるようですが、腸内環境が変化し、

腸蠕動が亢進して、消化管で消化吸収する前に排泄されてしまう。だから、太らない?らしい。

胃は、骨盤腔まで拡張してとにかく大量に経口摂取した食材を苦しくなくため込めるようになってしまっている

ようです。おそらくは、最初からというよりは、日々の鍛錬?などから、徐々に胃の拡張能力が増大していった

のではないでしょうか?

医療者の中でも、食べても太らないこの体質に、人間の進化、理想的な体質、肥満に悩む人の希望、夢の腸内細菌

などとはやし立てている人もいるようです。もちろん、肥満については、儲かります。ビジネスとしては、この腸内細菌

をビフィズス菌のように増やして、サプリメントにでもできれば、何兆円も稼げるのかもしれません。

だって、サプリで、好きなものを好きなだけ食べても太らなくなるかもしれないのだから。

でも、そんなものが発明されてしまったら、いよいよ、食糧問題は、加速化しますね。いま、大食いの個性を持つ人は、まだ

少数派だと思います。それが、サプリで人工的に生み出されてしまったら、食べたいという欲望を全開にする

人口がとてつもなく増えることになります。ひいては、1日に消費される食糧の量が飛躍的に増え、富める国の人は、

好きなだけ食べ、富の無い国では、さらに食料が手に入らなくなってしまう事でしょう。そして、食料をめぐって、戦争が

起きるでしょう。

医療従事者、研究者は、目先の利益ではなく、その先の未来まで考えて行動すべきだと思います。食べても食べても太らない

研究は、決して、単なる素晴らしい研究、という事ではないのではないかと思います。

ですが、私個人としては、これって、人の進化なのだろうか?いいことなのだろうか?と疑問を呈します。

消化吸収する前に排泄してしまうほど消化管の環境が変わり、蠕動が亢進する。つまり、食事で摂取した食料から、必要な

栄養素を吸収する能力が低下しており、そのほとんどをただ糞便として排泄しているとも考えられます。

人の進化としては、少ない食事から、より多くの栄養を吸収できるようになり、必要とする食料が少なくても大丈夫、という

形なのではないか?そうすることで、多くの人が栄養を十分に摂取できるようになる平等な社会が生まれるのでは?

というと、食事を楽しみとして、いっぱい食べたいじゃない、という人も出てくるでしょう。

そこに対しては、今までと同じ、もしくは今まで以上の味を残したままで食材を量増しできるような技術を生み出すことが

求められます。牛肉100gから、500gのボリュームを生み出す技術ができれば、ステーキ500g食べても100g分のカロリーしか

体内に入らず、いっぱい食べても太らない、満足も得られる。

食べたものの消化吸収を妨げる技術は、人類としては、進歩ではなく、後退なのではないだろうか?

もう一つは、いっぱい食べたいではなく、少ない量でもいっぱい食べた、満足だという満足感が得られるような研究が必要

なのでは?

食べても食べても満腹にならない、もっと食べたい、飽きない、から、大食いをしてしまう。満腹になる、いっぱい食べることに

飽きる、満足する、そうすれば自然と、食事量はセーブできるのでは?

メディアで見かける大食いの方々は、食べる量はさることながら、不思議と、食事を最後まで美味しく食べているようです。

通常なら、倍量くらい食べたら、もうその味に飽きてしまって、お腹うんぬんよりも、食欲がわかなくなってしまうのでは

ないだろうか?

そこには、きっと、胃袋、腸内細菌以外に、味覚の部分で飽きないという何らかの機序がきょうつうしてあるのではないだろうか?

食事をとることもままらなない人が世の中には、むしろ多いんだ、ということを忘れないでほしい。

大食いにしても、激盛りや激辛を提供する店側についても節度をもってほしい。

ましてやチャレンジ的な感じで、絶対に食べきれないだろう、というような料理を提供することは、食材やそれを生産している

方々に対する感謝やリスペクトはあるのだろうか?

余りは持ち帰りますって、持って帰って本当に全部食べてくれているのだろうか?そのままゴミ箱に投げていないだろうか?

お金払って食べているんだから文句ないだろう、というのは違うのでは?

電気代払っているんだから、いくら使ったっていいだろう、お金出して買っているのだから、ガソリンをいくら燃やそうが俺の

勝手だろう、そういう事でいいのだろうか?地球は、個人のものではなく、みんなつながっている。必要なものを必要な分だけ

使う。それでいいのでは?

たべなさい、たべなさい、いっぱい食べないとダメ、という教育をする家庭もまだあるかもしれませんが、いっぱい食べることが

美徳ではないのでは?食事をおいしくいただく、感謝していただく、無駄にしない、バランスよく食べることが大事で、

いっぱい食べる必要はないのでは?

大食いについても、腸内細菌叢を変えたり、ちょっとずつ食事量をセーブしていけば、食後の超蠕動亢進を抑えてみれば、

消化吸収能力の改善が得られるかもしれない。そうすれば、もっと少ない量の食事で満腹感を得られれ、栄養吸収ができるように

なるのかもしれない。もしも本人が望むなら、ですが。強制するようなものではありません。

ただ、わざわざ、YOU TUBERになって、稼ぎたいと思って、もしくは、大食いの能力を、維持、向上するために今まさに、

大食いの鍛錬をしている方がいるのなら、地球の食糧事情について、今一度、考えていただけるといいなと思います。

別に自分で調べたエビデンスがあるわけでもなく、すべて私見ですので、お気になさらないでください。戯言です。

でも、最近特に、大食い女子とか、激盛の店とか、激辛のとか、そんな番組やコーナー、動画が多いなぁと思っただけです。