2023年01月07日 こころ院長ブログ
一般経済の会社は、サービス料、販売価格などを値上げして、物価高を
引き起こしていますが、その分、売上も上がるため、賃上げで、従業員の
生活負担を解消する術があります。
一方で、一部の業界、特に医療業界などは、一部の自費診療以外は、保険診療
となっており、そのサービスの価格は、診療報酬で規定されています。
勝手に値上げすることができない状況です。
にもかかわらず、注射器や針、薬などの値段は、物価高で軒並み値上げされています。
それに関しては、病院の売上から経費として削られていくことになります。
物価高に対して、医療機関では、むしろ売上に占める利益の割合は、大幅に減少している
ことになります。
そこで、他の経済界での賃上げムードが加わると、医療従事者も同じ人間です。
自分達も苦しいのに、賃上げしてくれないなんて、と不満が出ることもあるでしょう。
病院側としても、賃上げしてあげたいところですが、利益が大幅に減少する中で、さらに
人件費の増額は、さらに経営を圧迫しかねません。
かといって、賃金の不足感で、人材が流出すれば、病院の存続に関わります。
税金の優遇を受けている病院や公的な病院、大きな病院では、資金面の余裕があったりするので、
可能なのかも知れませんが、当社のような弱小クリニックでは、そもそもの金銭的な
余裕はそれほどあるわけではありません。
医療は努力などで売り上げが上がっていくものでもありません。目の前の困っている方々を
治療していくことで代価をいただいているものです。
だとしたら、インフレなどが起こった場合には、2年、4年ごとの改定だけでなく、臨時的に、
一般の経済価値の上昇に比例した、全体的な診療報酬の増額などを柔軟に考えていただかないと、
地域医療の最前線にいる小さなクリニックたちは、どんどん追い込まれていくことになっちゃうかも。
おそらく、政府は、そういう細かい現場のこと、気がついていないだろうなぁ。