ドクターX

2022年12月28日 こころ院長ブログ

ここ最近、時間を見つけては、ちょくちょく、ちょっとずつ、

ドクターXというドラマを見ています。

実は、昔から、米倉涼子さんが苦手で、

見たことがありませんでした。

でも、なんとなく見始めてしまいました。

根っこが外科医で育ったので、やっぱり、こういうドラマは、

面白いですね。

見ているうちに、米倉さんの苦手意識も無くなってきました。

あそこまで、悪い医師達、流石にいないでしょ?

と思いたいところですが、中には、いないとも限らないなぁ、とも

感じます。

手術のうまい下手は、結構あるし、権力欲やお金に執着する人もいるし、

誰かの足を引っ張って、自分の評価を上げようとする人もいるし、

患者さんのことよりも周りの評価などを気にするような人もいるし、

それは、どこの世界にだって、一定割合でいい人、悪い人いるもんねぇ。

ただ、あんな手術ができるスーパードクターは、まずいない。今は、専門

性が高まっているので、狭い分野に限れば、スーパードクターは多くいるはず。

あれほどのオールラウンドになんでも上手に手術できる人はいない。

でもそれでいいと思う。手術は、一世一代の大きな治療。緊急でない限りは、

しっかり検査した上で、その病気に特化したスペシャリストが手術するのが、一番

安全。

だからこそ、大きな病院では、より分別化、専門化が進めばいいのに。外科医時代にも

思っていた事。

外科医は、とにかく術前情報から手術をするだけがいい。その専門家であった方がいい。

朝から晩まで手術をすればいい。

それとは別に、術前治療、評価の専門医師、術後管理の専門医師、その後の外来診療専門の医師、

そこまで専門にわけてしまった方がいい。

手術の成功率、技能を上げるには、とにかく、手術を専門にこなす方がいいのでは?

寝ても覚めても、手術のことだけ考えている方がいいのでは?

その分、手術の技能が劣る外科医は、首にしていけばいい。手術の技能がある人だけが手術ができる、

専門医と名乗れる。そんな専門医だったら、患者さんも信頼できるのに。

今の専門医制度では、学会に何年いる、幾つの症例の手術に入っているという報告、学会発表をした、

そんなことでなれてしまう専門医もある。

専門医だから、手術が上手、知識やスキルが卓越している、ということではない。

私もまだ、外科の専門医を持っているが、町医者の小さな外科手術とも言えないような処置を

適宜こなしているだけで、大きな手術には、12−5年くらい立ち会っていない。

そんなんで外科専門医ということでの信頼はあるのだろうか?

町医者で外科専門医の肩書きが、必要となることはない。なんとなく、症例数を報告したり、

学会に出たりして、いただいた専門医を継続しているが。今回も、無事更新できたようだが、

5年後、さらに更新するかどうかは、考え物だ。

専門分野に特化していくなら、上記のような外科医の他に、大病院と地域医療の分別ももっと

はっきりした方がいい。

大病院で、地域医療のような外来治療を行わず、専門治療を必要とする外来患者さんや入院前の患者さん、

手術後の管理中の患者さんなどに特化して、通常慢性疾患、慢性治療の状態では、地域の

クリニックに紹介、継続依頼、年に数回のフォロー受診だけにするなど、分業化することで、

大病院での外来の効率化が図れるのでは?

常に大混雑している大病院の外来では、本当にその病院でないと、専門医の先生の治療を受けないと

いけない人が、迅速に治療を受ける事ができない。

コロナもそう。

最初から、公的病院のどこかで、コロナ入院患者は、ここで全部受け入れるという病院をしていして、

他の病院には、通常業務を振っていく、そうすれば、もっと効率的だったのに。

コロナ関連を受け入れる、外来も受け入れる、公的病院と、その他の公的病院、私的病院で、

業務を分けられたら、医療逼迫とかそこまで気にしなくてもよかったのに。

結局、どこの病院も、自分のところだけがコロナを対応するのはやだな、通常の手術や治療をする人を

他の病院にお願いして、コロナだけを見るのはやだな、コロナが落ち着いた後の業務が不安だんだな、

色々な思惑があり、どこも手上げできなかったのではないだろうか?

私的な病院では、まず無理なこと。

だからこそ、公的な病院でやるべきだった。

何科の医師だろうと関係ない。学生の時に、医師免許を持つときに、研修医の時に、感染症や内科については、

基礎は学んでいるはず。

指揮を取るのは、感染症や救急の医師に任せて、外来や病棟管理を他の医師がやって、病院全体

何百床全部をコロナ関連病床にしてしまえば、ゾーニングもそんなにいらないし、とにかく、

そこが空いていれば入院できる、症例も集まるので、データも解析しやすい、状態の把握もタイムリーに

正確にできるなど、色々後手に回らなくても済んだのでは?

国民のため、医療のためにと思えば、そういった方策をとるのも一案だったのに。

これは、最初の頃から、私が言っていたことですが。

自分の会社がそれをできるわけではないので、無責任なことを言うな、と言われれば、そうなのですが、

公的病院の役割って、そういう、病院の利益を上げることよりも、公共の利益に率先し手行動すること

なんじゃないかな、と思っていました。

コロナ関連病床への補助金や発熱外来協力金などをばら撒くよりも、そういった公的病院の運営に補助金を

税金を投入する方が、一極集中で、高待遇にもできるし、設備も投資できるし、さらに安く済ませられた

のではないのかな?

もしくは、あらかじめ、移転した後のどこぞの病院の施設を、もしくは公的な老人施設を、有事の際には、

感染症病床として使えるようにリフォームしておき、あらかじめ指定しておけば、指定の公的病院の

患者移動などをしなくても、まずは、使える施設が確保できる。

そこに、医師や看護師をバイトでもいいので、募集して臨時の感染症施設・病院に指定するみたいな、

迅速に受け入れ体制を整える準備をすべき。

ここ3年間で、なにか、今のコロナについてではなく、次の感染症アウトブレイクに対して、対応を

進めているのだろうか?

しょうもない、大臣の更迭とか、ばらまきとか、人気取りとか、増税とか、そんなんばっかりで、

無駄遣いの予算の削減の話もしないで、コロナから次の対策をちゃんと学んでいるのだろうか?

コロナの次の感染症の時には、そういったことも実践できないか、検討しておいてほしいなぁ。