高齢者、終末期の栄養投与について

2022年11月28日 こころ院長ブログ

食べられなくなった高齢者、終末期の方に、栄養を投与することに、積極的だったり、異を唱える

医師はたくさんいる。

どちらが正しいのか?

私の結論は、どちらも正しくない。偏っている。押しつけだと考える。

多いのは、点滴や胃瘻、経管栄養などを使って、栄養水分を投与し生命を維持するタイプ。

水分と栄養が入れば、生命はかなり維持される。

それを反対派は、虐待だ、不自然だなどと騒ぐ。それは、生かされているいるだけだと。

点滴につながれて、胃瘻から、経鼻胃管から栄養剤を入れられて生きて何の意味があるのか?と

逆に反対派は、食べられないのは寿命だ、死へ向かう自然なことで、点滴や経管栄養は、すべきではない。

という。

だが、食べられない=死、死んでもいいと誰が決めた?食べられなくなったら、餓死しろと?脱水症で死ねと?

言い方は悪いけど、そういう事でしょ?

どちらも、結局、そう考える側の正しいと思う考えを押し付けているだけ。

欧米では、スウェーデンでは、食べられなくなったら、静かに死を待つ。点滴、栄養投与はされないと。

それは、欧米人の話。

死生観が違う。文化が違う。価値観が違う。

すぐに、欧米ではこうだから、日本はおかしいという。

なにいってんの?

欧米が正しいなんて誰が決めたの。医療費・福祉費がかかるから、早く死になさい、って方針かもしれないでしょ。

日本に合う本当の終末期医療、緩和医療は、違うと思う。

意思決定は、本人にゆだねられるべき。本人が無理な場合は、家族の意思決定も考慮されるべきだと思う。

点滴や経管栄養をされてまで生きて意味があるのか?そんなんいやだ、と欧米風にな価値観、思考を持つ方には、

点滴や経管栄養をしなければいい。

点滴や栄養を投与してもらえれば、生きられる。生きて、家族と過ごしたい、もっと何かしたい、生きていたい、と

思うなら、点滴や栄養投与をしてあげればいい。

なんで、医師が、そこを勝手に決めるの?押し付けるの?

なんで、点滴や胃瘻がだめだ、悪だと決めつけるの?人工呼吸器をつけて生きていてはダメなの?

本当に現場を知っているの?

患者さんと心を通わせているの?

論文とか本とか海外の医療とか、そんな情報や知識ばっかり取り入れて、一番大事な日本の現場の患者さんの気持ちを

想いを、感じていないの?

終末期・緩和の状態になっていたなら、最後のことは、本人の意思を優先させてあげたらいいでしょ。

あとは、もし本人が、積極的な医療行為を望まない、という選択をしたときに

家族が、本人の意思決定を受け入れてあげられるかどうか、認めてあげられるかどうか、理解してあげられるかどうか。

確実に衰弱していく、死に向かっていく選択をしたときに、ついつい、本人が望まぬ医療行為を求めてしまわないかどうか。

周りの関係ないやつが、点滴されて生かされていて、かわいそうだ、虐待だ、なんていうのは間違っている。

本人が、家族が望んでいる行為だったら、外野がとやかく言う事ではない。

ただ、漫然と機械的に点滴、経管栄養をしているのだとしたら、非難されるべきだが。

緩和医療について、いろいろメディアや本やSNS・講演その他でいろいろ偉そうに発信する先生方がいっぱいいるけど、

どっちかに偏って話しているとしたら、現場が見えていないんだなぁと、私は感じてしまう。

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なんだなぁと、感じてしまう。